オズのラゲドー氏
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第七幕その十
「オズの国は多いね」
「言われてみればそうだね」
カエルマンも頷きました、勿論彼もすっきりとしています。
「何かと」
「そうだね」
「私も思うよ。ただ最高は探せばあちこちにね」
「あるものだね」
「そうかも知れないね、美味しいものを食べても最高で」
それでというのです。
「素晴らしいものを見られてもね」
「最高だね」
「お友達と一緒にいられてもね」
「それもまた最高だよ」
「そう、最高のことはね」
「探せば多いね」
「外の世界でもですし」
ナターシャも言ってきました。
「何かと」
「探せばだね」
「最高のことはです」
「多いね」
「最高のことを見付ければ見付けるだけ」
「幸せになれるのかもね」
「そうですね」
こうカエルマンに言いました。
「オズの国でも」
「そうだね」
「わしはかつてはそんなことはしなかったから」
前ノーム王は心がすっかり入れ替わる前の自分を思い出して言いました。
「ずっとね」
「幸せじゃなかったですね」
「そうなるね」
まさにというのです。
「実際にだよ」
「幸せはですね」
「あの頃は感じなかったよ」
「悪いことばかり考えていて」
「いつも何かを嫌って憎んで」
そうしてというのです。
「本当にね」
「幸せはですか」
「気付きもしなかったよ」
「そうでしたか」
「考えることすら」
幸せについてです。
「なかったよ。例えば野球を観て」
「そうしてですか」
「好きなチームが勝ったりいいプレイを観られた」
「そうしたことで」
「嬉しいと感じることも」
こうしたこともというのです。
「なかったよ」
「そこにも幸せがありますよね」
「けれどそのことにもね」
かつてはというのです。
「全くだよ」
「考えもしなくて」
「それで幸せじゃなかったよ、残念なことをしていたよ」
後悔も見せました。
「本当にね」
「けれど気付いたら」
トロットが言ってきました。
「その気付いた風にね」
「生きていけばいいな」
「そうよ、じゃあこれからもね」
「楽しく生きよう」
「幸せにね。じゃあ明日も日の出と一緒に起きてね」
そうしてというのです。
「それからよ」
「また旅をしようか」
「ぐっすりと寝てからね」
「この寝ることも楽しくなった」
こちらもというのです。
「もう朝までぐっすりとだよ」
「寝られる様になったのね」
「今のわしはそうだよ」
トロットに笑顔でお話します。
「だから夜も楽しい」
「起きている時はもう思う存分楽しめばね」
ビリーナはこう言いました。
「寝る時もよ」
「楽しく寝れる」
「身体は程よく疲れてね」
そうしてというのです。
「気持ちも楽しいままだからよ」
「寝られるね」
「そういうことよ」
こう言うのでした。
「だから今のあんたはね」
「寝ることも楽しい」
「そうよ、じゃあね」
「今夜も楽しく寝られる」
「朝までぐっすりとしかも」
ビリーナはさらに言いました。
「いい夢も見られるわよ」
「そうだね、それじゃあ」
「寝ましょう」
「今度はそちらを楽しもう」
こう言ってでした。
前ノーム王は幸せな気持ちのまま寝ました、そして日の出と一緒にまた起きて楽しい時間を過ごすのでした。
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