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ハッピークローバー

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第五話 合コンのことその七

「それでいざとなったら」
「誰からもだ」
「助けてもらえないのね」
「そんなものだ」
「そうなのね、けれど本当に嫌われていたら」
 かな恵はこれまでの人生経験から話した。
「もう最初からね」
「誰からも無視されるか」
「そうじゃないの?」
「それは違う、まだ更正の余地があるから皆無意識でも嫌いと言う」
「それで嫌われることするなって言うの」
「そして無視もしてな」
 そうしてというのだ。
「教えるものだ」
「そうなのね」
「嫌いな相手でもな」
「徹底的に嫌っていないと」
「そして更正の余地がある奴は自分が嫌われていると自覚する」
 そうなるというのだ。
「それであらためようともするが」
「本物の嫌われ者は違うのね」
「自覚しない」
 全く、というのだ。
「自分が嫌われていることをな」
「そうなのね」
「そして近寄っても来る」
「嫌われていることを自覚しないで」
「こんな奴は中々避けられないんだ」
「だから表面上でも付き合うのね」
「そうだ、しかし実はな」
 付き合っている相手はというのだ。
「嫌っていてな」
「陰口を言うのね」
「無理して付き合う分余計にな」
「そうなのね」
「そういうものだ」 
 こう娘に言うのだった、そしてチーズを飲んでまた一杯飲む。父がそうすると今度は母がかな恵に言ってきた。
「こうしたこともね」
「覚えておくといいのね」
「ええ、本当に嫌われる人はね」
「お父さんの言う通りなの」
「そうした人よ」
「嫌われていることに気付かないで」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「馴れ馴れしい感じでね」
「余計に嫌われるのね」
「そうよ、そして反省もね」
 これもというのだ。
「しないのよ」
「嫌われるままね」
「行いもあらたまらないから」
「反省しないから」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「政治家でいるでしょ」 
 母なこちらの仕事の人の話もした。
「きつい顔した白い服の女の人」
「黒髪を短くした」
「あの人はもうそれも超えて」
「今話している様な人よりも嫌われているから」
「だからね」
 それでというのだ。
「ああはならないことよ」
「あの人確かに嫌われてるわね」
 かな恵もその政治家についてはその通りと頷いた。
「ネットでもね」
「嫌われてるでしょ」
「物凄くね」
「ああして自分に甘く他の人に厳しくてね」
「言い方が攻撃的で」
「あげつらってばかりだとね」 
 そうならというのだ。 
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