イベリス
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第三十一話 男の子の食べものその九
「土地代高いのよね」
「百貨店にしても」
「だからお店出しても」
「土地代だけで大変で」
「若しちょっと売れ行き悪くなったら」
「大変ね」
「だからなんだ」
彼もそうした事情があってと話した。
「そうした場所にはお店出さないで」
「葛飾にしたの」
「東京に出すお店の場所は」
「そうしたのね」
「うん、人も多いし」
葛飾はというのだ。
「銀座や新宿もだけれど」
「それでもなのね」
「葛飾を選んで」
「そこにお店建てて」
「今もやってるのね」
「そうなんだ、それでお店繁盛してるから」
彼はこのことは笑顔で話した。
「ご近所でも評判でネットでもね」
「評判いいのね」
「最近雑誌やテレビで取り上げられるよりネットだしね」
「ぐるなびとかホットペッパーで評判になった方がいいわよね」
「それでそっちでもなのね」
「浜崎君のお家のお店評判なのね」
「そうなんだ、サイトでも店の商品紹介してて」
そのお菓子達をというのだ。
「こっちでも評判だから」
「それでなのね」
「繁盛してるのね」
「そうなのね」
「けれど努力しないと」
さもないと、というのだ。
「今繁盛していてもね」
「明日はわからない」
「努力していないと」
「今はよくても」
「今日繁盛していて喜んでいるだけなら」
それならというのだった。
「後の仕込みが出来ていないから」
「明日は閑古鳥」
「そうなるのね」
「どんなお店も」
「さっき資本主義って言ったけれどずっとお店続けたいなら」
繁盛もというのは言うまでもなかった。
「もうね」
「いつも努力ね」
「美味しいもの作って」
「それで宣伝もして」
「接客もしっかりね」
「そう、接客も悪いと」
その場合はというと。
「簡単にね」
「潰れるわよね」
「店員さんの態度が悪いお店ってそれだけで行きたくなるわよね」
「どれだけ品揃えや味がよくても」
「それでもね」
「もうお客さんを睨んだりしたら」
そうした店員がいるならというのだ。
「もうね」
「それだけで潰れるわよね」
「そんなお店だとね」
「もうそれだけでね」
「アウトよね」
「だからね」
それでというのだ。
「そんな7お店にはね」
「行きたくないわよね」
「何で睨まれるのってなるわよね」
「お客さんで来たのに」
「それだと」
「そんな店員さんは駄目だし」
彼はこの事実を話した、実際にそうした店員がいる店はどんな品揃えでも傾くものだ。これが資本主義の摂理だ。
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