八条学園騒動記
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第六百四十話 最低な奴だからその二
「それでもな」
「そんなことをする奴は嫌いだ」
「完全に悪意だからな」
「悪意しかないな」
「兎に角あいつはな」
「人に悪意を向けるか」
「非常に底意地が悪い」
タムタムはこのことを指摘した。
「平気で嘘も吐くしな」
「そして強い相手には媚びるな」
「諂ってな、告げ口もな」
これもというのだ。
「する、そうだからな」
「クラスでも部活でもだな」
「ひいては学園全体でな」
「嫌われているな」
「だからお前も知っているんだろ」
「ああ」
その通りだとだ、フランツも答えた。
「性格が悪いとな」
「有名だからだな」
「それでだ」
まさにその為にというのだ。
「俺も知っている、ただ話はな」
「したことがないな」
「一度もな」
「おべんちゃら言っていた相手がいてな」
タムタムは具体的な例を話した。
「数ヶ月後にはその相手を嫌う粗野な奴に色々吹き込んでいる」
「殴られる様にしているか」
「そんな奴だ」
「なら俺が嫌っていいな」
「だから見るんだ」
目で彼を指差しフランツに話した。
「皆あいつには近寄らないな」
「嫌悪の目で見ているだけでな」
「兎に角性格がな」
「あまりにも悪いからか」
「世の中性格悪い奴はいる」
このことは事実だというのだ。
「しかしな」
「それでもか」
「それにも程度があってな」
「あいつ位はか」
「そうはいない、あいつは自分だけだ」
それしかないというのだ。
「徹底しただ」
「自己中か」
「そのこともあってな」
「余計に嫌われているか」
「だからお前もな、これからも」
「あいつとは付き合うな、か」
「付き合ったから利用されるかだ」
若しくはというのだ。
「虐げられる」
「どちらかか」
「他はない」
一切、そうした言葉だった。
「どうしたらあそこまで性格が悪くなるかわからないが」
「余程酷い家にいたか」
「そうかも知れないしな」
タムタムはさらに言った。
「元々な」
「そうした性根だったかも知れないか」
「どちらにしろあいつはな」
「付き合うべきじゃないか」
「ラビニアとは違う」
フックのライバルである彼女とはというのだ。
「あいつはただ気が強いだけだ」
「負けず嫌いだな」
「それだけだが」
しかしというのだ。
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