レーヴァティン
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第二百二十九話 姿を隠しその八
「佞臣を生みやすいとな」
「思われますか」
「そうした話はこの世界でもあるな」
「あります」
実際にとだ、僧侶は英雄に話した。ここで僧侶は自分が煎れた茶を出した。英雄はその茶を手に取り作法に従い飲みはじめる。
その彼にだ、英雄はさらに話した。
「何しろ後宮のあらゆる仕事をしてです」
「その主の傍にいてな」
「何かとです」
「取り入りな」
「そして利を貪る」
「この世界でも出るな」
「全ての宦官がそうではないですが」
それでもというのだ。
「どうしてもです」
「そうした奴もいるな」
「そうして後宮の主を操り」
そうしてというのだ。
「利を貪り」
「国を傾けるな」
「そうした宦官がいます」
「やはりそうだな、宦官にはな」
「そうした輩が出ますね」
「邪な奴は何処でもいるが」
宦官に限らずというのだ。
「宦官はな」
「邪な心を持てば」
「その欲を手に入れやすい」
「利益を」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「そうした宦官はよく徒党を組むな」
「その通りです」
僧侶は茶を飲みつつ話す彼に答えた。
「まさに」
「やはりそうだな」
「そして尚更です」
「国を貪るな」
「ですからこの世界が海に沈む前は」
石に変えられてというのだ。
「統一した方は後宮をです」
「持たなかったか」
「そうされましたし宦官もです」
「用いなかったか」
「そうでした」
そうだったというのだ。
「お子をなすことに興味がおありではなかったのか」
「そうか、しかし宦官を用いないことはな」
「よいですか」
「俺はそう思う」
実際にというのだ。
「その様にな、兎角宦官はな」
「邪な心の者がですね」
「力を持ちやすい」
「そこが問題ですね」
「賄賂を貪り国を私し傾ける」
英雄はここでは魏忠賢という明朝末期の宦官を思い出したまさにそうして明の滅亡を速めた宦官である。
「だからな」
「宦官は最初から用いない」
「そうする、女は好きでだ」
そうしてというのだ。
「大奥も置いているが」
「それでもですね」
「宦官はだ」
彼等はというのだ。
「何度も言うがな」
「用いることはないですね」
「そしてならせることもな」
その宦官にというのだ。
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