多忙な中のクリスマス
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第四章
「連合だよ」
「そして日本ですね」
「よく働いてこそね」
「よく遊べますね」
「充実出来るんだ、だから今は」
「楽しむことですね」
「クリスマスをね」
この日をというのだ。
「そうしよう」
「それでは」
「だから爺やもね」
執事にも声をかけた。
「いいね」
「飲んで食べてですね」
「そうしてくれるかな」
「是非共。我が畑中家はです」
執事は自分の家のことも話した。
「代々八条家にお仕えして」
「こうした時はだね」
「共に楽しませて頂くことを喜びにしているので」
だからだというのだ。
「そうさせて頂きます」
「それではね」
「お酒を飲み美味しいものを頂き」
「楽しむね」
「そうします、しかし」
執事は彼にこうも言った。
「今日はクリスマスなので」
「だからだね」
「あの出しものはしません」
こう八条に話した。
「代々の直新陰流の型そして黒田武士も」
「それはお正月だね」
「そうです、ですから」
それでというのだ。
「暫くお待ち下さい」
「いつも通りね」
「そのことはお願いします」
「ではね、クリスマスはクリスマスでね」
「楽しんで、ですね」
「そうしよう、そしてお正月はね」
「お正月で、ですね」
「楽しもう、しかし私は思うけれど」
八条は執事に顔を向けて笑顔で話した。
「別に日本のものだからとこだわらなくてね」
「いいのですか」
「クリスマスに黒田武士でもね」
「いえ、そこは私の考えで」
「それでなんだ」
「クリスマスは讃美歌で」
見ればそれが演奏されている。
「そして」
「それでだね」
「お正月にこそです」
「日本のものをする」
「そう考えていますので」
「今はだね」
「控えさせて頂きます」
八条に謹厳な声で答えた。
「その様に」
「それではね」
「それで旦那様は」
「後でだね」
「歌われますか」
「それがいつもだからね」
八条は執事に公の場では出さない屈託のない笑顔で述べた、いつもの上品なものではなくそうした笑顔になっていた。
「たけなわとなったところで」
「歌われますね」
「そうするよ」
「それでは」
執事も応えた、そして。
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