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痩せていたのが太った犬

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第一章

               痩せていたのが太った犬 
 アメリカフロリダ州南部ボンバビーチにおいてだ。
 保安所にいた警官のアンジェラ=ローレラ黒が多い金髪を頭の上で団子にした婦人警官の彼女は市民からの通報を受けてだった。
 その犬を保護した、そのうえで同僚のアフリカ系の青年の警官デビット=デービスに深刻な顔で話した。
「フロリダは捨て犬が多いにしても」
「また酷いな」 
 デービスはローレラに顔を顰めさせて応えた、見ればその犬は。
 灰色の大きな痩せた垂れ耳の犬だった、痩せ細って衰弱しきっていた。
「こんなになるなんて」
「通報通りポールにつながれていてね」
「そんなに痩せていたのか」
「ええ、けれど前に手を出したら」
「クゥン・・・・・・」
 犬、見れば雄の彼は。
 ローレラが手を出すとお手をした、彼女はデービスにその場面を見せて話した。
「この通りよ」
「人への愛情はあるんだな」
「ええ、こんなになってもね」
「いい子だな」
「こんないい子だから尚更ね」
「助けたいな」
「そう思うわね、貴方も」
 デービスのその澄んだ目を見て応えた。
「それじゃあね」
「ああ、ボランティアの人にも話してな」
「何とかしてあげましょう」
「助けよう」
 二人で話してだった。
 すぐにボンバビーチのボランティア団体をあたって保護した犬の保護と救済を依頼するとであった。
 エイミー=ローマン茶色で長い髪の毛の太った白人女性が二人のところに来てそのうえで切実な顔で申し出た。
「私に引き取らせてくれるかしら」
「そうしてくれるの」
「ええ、そしてね」 
 そのうえでというのだ。
「家族として迎えさせて」
「そうしてくれるのね」 
 ローレラはローマンに問い返した。
「ここは」
「ええ、是非ね。フロリダは捨て犬が多いから」
 ローマンもこのことを話した。
「一匹でもね」
「助けないと駄目ってことね」
「出来る限りのことをして、だから私も」
 ローマン自身もというのだ。
「私の出来ることをするから」
「ではね」
「ええ、助けるわ」
 こう言ってだった。
 その犬をリアムと名付けて引き取った、そして半年後。 
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