運転中に出会って
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第二章
「是非ね」
「そうしてあげましょう」
「そうしよう、じゃあモクシー散歩行こうか」
フィルが彼女に声をかけた。
「これから」
「キャンキャン」
「ペギーとメリーも行く?」
マルティナは猫達に声をかけた。
「そうする?」
「ニャア」
「ニャンニャン」
猫達は鳴いて応えた、そうしてだった。
一家全員で散歩に出た、彼等はそうした日々を過ごして時々旅を楽しんだ。
そしてフランスのある村を旅しているとだった。
英語訛りのスペイン語を喋る二人組の女性と出会った、一人は薄茶色の髪と黒い目の縮れた髪の毛を上で縛っている太った中年女性でもう一人は厚い唇のやや痩せたアフリカ系の女性だった。二人はまずマルティナとフィルにこう名乗った。
「サラ=ポンペアっていうの」
「レコ=ロナウドよ」
二人で名乗った。
「アメリカから来たの」
「シカゴからね」
「そうなのね、それでその子は」
マルティナは二人と共にいる茶色で垂れ耳の中型権を見て二人に問うた。
「貴女達の家族かしら」
「そうなの、私の家族よ」
サラが笑顔で答えた。
「ロザリータといって女の子よ」
「シカゴから一緒ね」
「そうなの、実はメキシコを車で旅行している時にね」
サラは笑顔のまま話した。
「たまたま車から降りた時に出会ってその時はそのまま別れたけれど」
「そうだったの」
「次の年に同じ場所に来たら」
旅行でというのだ。
「その時にまたいたから」
「それで縁を感じたのね」
「だから家族に迎えることにしたの」
「そこからが大変だったのよ」
レコが笑って言ってきた。
「アメリカとメキシコだから」
「国が違うわね」
「色々と手続きが大変だたから」
それでというのだ。
「サラも大変だったわ、私もお手伝いして」
「そうしてなのね」
「サラは家族に迎えたのよ」
「うちも車で旅行している時だったけれど」
フィルも言った。
「こっちはEUの中で都合が利くからね」
「よかったけれど」
「それでも迎えるなんてね」
「立派ね」
「そうかしら、家族になるのだったら」
サラはそのロザリータの頭を撫でつつ笑顔で話した。
「当然よ」
「そう言うんだね」
「貴女としては」
「そうよ、だから今も一緒にいるのよ」
「ワン」
ロザリータもここで鳴いた、そうしてだった。
四人はそれぞれの家族について笑顔で話した、偶然出会った彼等は偶然出会って家族になった犬達の話に興じた。それは彼等にとって極めて実のあるものだった。
運転中に出会って 完
2021・11・25
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