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魔法少女リリカルなのは 漆黒の正義

作者:梳宇 尋
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プロローグ

 
前書き

最後まで読んでもらえると嬉しいです。

感想とかもらうと過度に喜びますwwwwwwwww


 

 
──ふと、目を覚ました。

体を起こす必要はない。
既に自分は地に立っている。

辺りを見渡すと白い世界が荘厳と広がっていた。

そんな白銀の世界に、膝をつく少年。


右胸に孔を空け、呼吸もロクに出来てすらいない。
瀕死なのは目に見えて明らかな状態。
だというのに、必死に立ち上がろうとしている。
なんと無駄な足掻きなのだろうか。
体を動かす度に吐血をし、白い地面を真紅に染めていく。
やっとの思いで立ち上がったものの、その身は満身創痍どころではない。
瞳を虚ろにし、足を引き摺り、息を荒げ、少しずつ歩を進める。
その目に映る先に、2人の少女がいた。


一方は重傷を負い、意識を失っているようだ。
夥しいほどの血が少女を中心に血だまりを作っている。
もう一方は目に涙を溜め、少女の名前を何度も叫ぶ。
何故か、名前だけが靄がかかったように聞き取れない。



──暫くして視界が一面、白に包まれた。
















機動六課。
はやてちゃんが4年もの歳月をかけて設立に成功した部隊。
そこに本局からの貸し出しという出向ではあるけど私は戦技教導官を務める。
同じく出向ではあるけれどフェイトちゃんも部隊付執務官。
才能のある新人4人。
ヴォルケンリッターの皆に部隊長は勿論はやてちゃん。
後見人は、提督になったクロノくんと聖王教会の騎士カリムさんにリンディさん。


「・・・・・・まあ、後見人はもう一人いるらしいんだけど」

はやてちゃんが出向当日まで秘密と言ってたから凄く気になる。
というか。



「機動六課に出向当日に遅刻ってどういうことなの!?」

さっきまで六課の内部を振り返っていた自分を殴りたい。
そんなことする暇はないし、仮にしたら痛い目で見られること間違いなし。


全力疾走でなければならないほどに切羽詰まってるというのに信号が赤を示す。



「はぁ・・・・・・今日ほど街中の飛行禁止を疎ましく思ったことないよ・・・・・・」

転移しようにも、六課の座標を聞いてないからどうしようもない。
若干イラつきはじめ、軽く諦めかけたときだった。



「君も機動六課に出向なのかね?」

横、車道から話かけられた。
ヘルメットを被っているから顔は見えないが、声からして青年と思える。



「あ。は、はい!」

「私も少し寝坊してしまってね。仕方なくこいつに乗っているのだよ」

言い様からして彼も機動六課に出向のようだ。
視線の先は黒いバイク。
フェイトちゃんの車ほどではないけど、真っ黒だ。きっとフェイトちゃんが乗っても違和感はない。




「このままでは間に合わないだろう? よければ乗っていくといい」

「ホント!?」

思わず素が出てしまった。
私からすれば願ってもない申し出だ。
よく考えれば、最初からその気だったのかもしれないけど。




「話してる暇が勿体ない。早く乗ってくれないか?」

「ありがとうございます!!」

深い角度でお辞儀をし後ろのシートに跨る。
前にいる彼の胸の辺りで手を組む。



「しっかり摑まっておけ」

そう言うと、少しだけスロットルを回した。
再び回したかと思うと、今度は大きく捻る。
左手でレバーを握り、左足でギアを踏むと、またスロットルを回す。
私が見えたのはそれだけ。気付いたら、バイクは走り出していた。




「は、はっやーい!」

風を肌に感じる。
景色が横に流れる。
視界に映るのは移り変わっていく色のみ。
自分の時間だけ先に進んでるかのような錯覚。

飛んでるのとはまた違った心地よさ。
爽快感で言ったら、バイクの方が上かもしれない。




「感激しているところ悪いが、そろそろ着くぞ?」

「もう!?」

「・・・・・・時間も危ないしな。行けるところまで走ってやろうじゃないか」

私の残念そうにしているのに気を遣ってか、バイクの速度が上がり出す。

この感覚は病みつきになりそうだ。




「ああ、それと──」

突然、彼が口を開いた。


「──落ちないようにな」

「え?」

文字通り、宙に浮いた。
慌てて前を見ると、ガラスの窓。
そのまま破砕音と共に容易くそれを突き破った。



『・・・・・・・・・・・・』

広がる静寂と突き刺さる視線。
彼以外の全員が、茫然とする。
はやてちゃんやフェイトちゃんが台の上にいることから、かなり重要だったに違いない。



「これは、経費で落ちるかね?」

「落ちるわけないやろ!」

間の抜けたことを言う彼を怒鳴り散らすはやてちゃん。



「貴方の給料から引かせてもらいます!」

「何で怒っているんだ。私が何かしたか?」

「何かしたどころじゃないわアホ!」

「ふむ・・・・・・」

もしかして、私があそこで残念そうにしなければこうはならなかったのではないだろうか。
皆が未だに状況を把握しきれていないのは当然だろう。
はやてちゃんの対応の早さには脱帽する。
フェイトちゃんは台上にも関わらずオドオドしてるし。



「ねぇ、フェイトちゃん」

「な、なのは!? いつまで経っても来ないから心配したんだよ!」

「にゃはは・・・・・・ごめんごめん」

気になって話しかけてみると怒られた。これには苦笑いでしか返せない。


「ところであの人誰だか分かる?」

「ううん。私が聞きたいくらだよ」

「だよねぇ」

予想していた答え。
もしかして、彼はもう一人の後見人なんじゃないかな?

いろいろと予想を巡らせてると肩を叩かれた。



「君たち、そこをどいてくれないか?」

「あ。す、すいません」

「どうしたんですか?」

「なに。やらなければいけないことがあってね」

鼻で笑い、やれやれと身振りで表す。



「先程は騒がせてすまなかった。混乱するのも無理はないだろう。この様な流れで悪いのだが自己紹介をさせてもらう」

はやてちゃんがいたところに立つと、ヘルメットを外し喋り出した。
後ろからだから、顔は見えないが少し長めの黒髪。
口調もあるのだろうけど、威厳が漂っていた。




「この機動六課の後見人兼副部隊長の桐臣凪。階級は中将。何で副部隊長かは部隊長に聞いてくれ」

そして驚きの名前を口にした。 
 

 
後書き

どうだったでしょうか?

感想待ってまーす 
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