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イベリス

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第三十話 ゴールデンウィークが終わってその三

「中々使えないし」
「新しいギャグを次から次に考えていって」
「それでどんどん面白いギャグをってなるから」
 ギャグ漫画家はというのだ。
「だからね」
「難しいんですね」
「ギャグ漫画はね、凄く才能がある人でも」
「途中で、ですか」
「ギャグ漫画を描かなくなっているんだ」
「そうですか」
「それがギャグ漫画だよ」
 このジャンルだというのだ。
「そうしたことも頭に入れてね」
「そうしてですか」
「読んでいこうね」
「わかりました」
 咲は部長のその言葉に頷いた。
「それじゃあ」
「赤塚先生の漫画もね」
「そうした事情もあることを」
「頭に入れて」
 そうしてというのだ。
「読んでいってね」
「そうします」
「ギャグ漫画もね」
 このジャンルの漫画もというのだ。
「凄く学べるよ」
「そうなんですね」
「何かとね」
「漫画から学べることって多いですが」
「ギャグ漫画もだから」
「読んでいくことですか」
「昔の漫画も今の漫画もね」
 どちらもというのだ。
「そうしていってね、ただね」
「ただ?」
「女の子はあまり下品なギャグ漫画は読まないね」
 部長は咲にこのことも話した。
「そうだね」
「いえ、私は結構です」
 咲は部長に漫画を両手に持ったまま話した、開かれているそのページでも赤塚流のギャグが展開されている。
「そうした漫画に抵抗なくて」
「読んでるんだ」
「コロコロにあるみたいな感じですね」
「うん、ああしたね」
 まさにとだ、部長も答えた。
「下品な」
「そういうのも平気でして」
「それでなんだ」
「読めます」
「そうなんだ」
「積極的には買わないですが」
 それでもというのだ。
「読めます」
「そうなんだね」
「コロコロも長いですよね」
「もう四十年以上出ているよ」
「そうですよね」
「小学校の男の子はね」 
 それこそというのだ。
「皆知っててね」
「読んでますね」
「うん、値段も手頃だし」
 ただし子供が読むので買うのは親である。
「それにボリュームがね」
「凄いですよね」
「ゲームとかの紹介もあるし」
「読んでいて楽しくて」
「子供がそうするのにね」
「だから人気があるんですね」
「僕も読んでいたよ」
 部長は笑って話した。 
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