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八条学園騒動記

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第六百三十九話 踊ることもその二

「無下に出来ないのよ」
「余計にややこしいな」
「ええ、他の国やコミュニティなら批判されても」
「ラビだとか」
「ユダヤ系の中では言えなくてね」
「通るか」
「そうもなるの、若しくはラビの人同士で」
 その中でというのだ。
「激論になるのよ」
「その議論が中々終わらないな」
「ええ、もう卵が先か鶏が先かとか」
「そうした話もか」
「そのレベルの話も起こって」
 そしてというのだ。
「何十年も続くの」
「それでその間か」
「議論中のことで慎もうってなって」
 そうしてというのだ。
「しなくもなるの」
「そうもなるか」
「ええ、ややこしいわよ」
 アンは眉を曇らせて話した。
「本当にね」
「それがイスラエルでか」
「ユダヤ系なの、だから文化祭ではライブもダンスもね」
「キャンプファイアーもか」
「ないのよ」
 そうなっているというのだ。
「音楽は宗教のものばかりでね、まして今みたいなキャンプファイアーは」
「堕落か」
「十戒の時のアロンの乱痴気騒ぎみたいとかね」
「ハールーンだな」
 イスラム教ではその名になっている、コーランの常として彼も聖書とは動きが全く異なっているという。
「あれは偶像崇拝もあったな」
「黄金の子牛の像ね」
「あれを連想させるからか」
「昔から駄目だって言われていて」
「禁じられてるか」
「そうなの、こうしたお酒とお肉をふんだんに食べても」
「贅沢だな」
 ギルバートは実際に食べつつ応えた。
「そうだな」
「そう言われてね」
 それでというのだ。
「今回何度もお話している通りに」
「そういうことだな」
「けれどお金儲けを批判する人はいないわ」
「それはか」
「働くことはね、というか怠惰もね」
「駄目だな」
「七つの大罪は」
 アンはこの時代でもよく言われる言葉を出した。
「しないことよ」
「だから働くか」
「そしてお金を儲けるの」
「勤労はいいか」
「それでお金儲けもね」
「それは悪徳ではないか」
「贅沢は駄目でも」
 それでもというのだ。
「憤怒、怠惰、好色、嫉妬、大食、傲慢、強欲ね」
「それが七つの大罪だな」
 ギルバートもこれは知っている、ムスリムであるがこの言葉は連合では創作でよく出るので目にする機会も多いからだ。
「そうだな」
「勤労は怠惰と正反対でね」
「純粋に働いているといいか」
「そう、それでお金は貯金する」
「使わずにか」
「そうしてね」
 そのうえでというのだ。 
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