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八条学園騒動記

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第六百三十八話 酒が進むその八

「人道的にな」
「そうだったのね」
「しかしそこでな」
 その奴隷達にというのだ。
「改宗したらどんなにいいことがあるか」
「宣伝も忘れなかったの」
「そしてだ」
「奴隷は改宗すればなのね」
「その時点で解放された」
「いい社会ね」
「そうだな、奴隷は論外だが」
 連合では最も唾棄されるものである、全否定させかつ連合においては最も酷い罵倒語とさえなっている。
「しかしな」
「そうした配慮がなのね」
「されていた」
「そうだったのね」
「それがイスラムだ」
「当時としては凄く人道的ね」
「奴隷はいてもな」
 それでもというのだ。
「そうだった、そしてな」
「もう二度と奴隷にならない」
「貴族の前に跪くことなぞない」
 エウロパイコール貴族社会という観点からの言葉だ。
「何があってもな」
「その為に働くのね」
「働けばお金も入る」
 労働の報酬としてだ。
「そしてだ」
「そのうえでよね」
「連合も発展する」
「いいことばかりね」
「ラマダンの間も働くとな」  
 そうすればというのだ。
「さらにな」
「そうしたらね」
「その分だ」
「発展するわね」
「自分のお金にもなる」
 このこともあるというのだ。
「だからだ」
「そうしてるのね」
「連合のムスリムはな」
「そこは工夫ね」
「アッラーは自ら奴隷になれとは言われていない」 
「そんな宗教連合にないわね」
「連合にいたならだ」
 それならというのだ。
「もうだ」
「市民よね」
「市民以外にはない」
 連合に存在している者はというのだ。
「大衆とも言われるが」
「四兆の人全員がね」
「そうだからな」
「奴隷はいないから」
「連合にそんな宗教は存在しない」
 数多くの国が存在するがだ、かつては奴隷制を認めていた宗教も存在していたが今はどの宗教も否定している。
「一切な」
「それじゃあね」
「イスラムも同じだ」
「ましてムスリムなら奴隷にならないし」
「尚更だ」
「奴隷にならない為にも」
「働いてだ」
 そしてというのだ。
「発展に貢献することはいいことだ」
「そう考えているのね」
「法学者の人の多くもな」
 ギリバートは牛カツを食べつつ話した。
「そう考えている」
「そうなのね、ラマダンといっても」
「食べない時間は決まっている」
「日中ね」
「その日中は寝てな」
 そうして食べずに済ませてというのだ。 
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