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イベリス

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第二十八話 またアルバイトに行ってその一

               第二十八話  またアルバイトに行って
 母と一緒にスーパー銭湯に行った翌日咲はまたアルバイトに朝から入った、そのうえで受け付けの席にいたが。
 そこで客の一人二十代の若い奇麗な女性が自分が占ってもらってからそのうえで咲に対して笑顔で言った。
「速水さんの占いは当たるのよ」
「評判ですよね」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「私もよく来て」
「何回かお会いしていますね」
「ええ、貴女ともね」
「そうですね」
「顔馴染みね、しかも安いし」
 当たるうえにというのだ。
「だからなの」
「よく来られるんですね」
「ええ、ただ普通の占いは安いけれど」
 それでもとだ、女は咲に話した。
「特別な占いは自分からかなり出すお金持ちとか偉い人いるみたいね」
「お金持ちの」
「会社の社長さんとか政治家の人とか」
 そうした立場の者達はというのだ。
「やっぱりね」
「かなり出されるんですか」
「そうみたいよ」
「そうですか」
「だからね」
 それでというのだ。
「あのお店はかなり儲かってるわね」
「基本料金は安くて」
「何か特別なそれこそ大きな企業とか」
「日本とか」
「それに関わる様なものだと」
 それならというのだ。
「やっぱりね」
「高いですか」
「基本の何百倍か」
「何百倍って」
 咲はその桁に思わず驚いて言った。
「百万とか」
「それ位はね」
「凄いですね」
「それでも当たるのなら」
 それならというのだ。
「やっぱり占って欲しい人もいるのよ」
「お金持ちとか偉い人は」
「あと役者さんとかスポーツ選手とか」
 そうした立場の者はというのだ。
「やっぱりね」
「将来どうしたらいいか知りたくて」
「来られるみたいよ、神戸から八条グループの人も来られるそうよ」
「八条グループのですか」
「あの世界的な企業グループのね」
 それこそロスチャイルド家やロックフェラー家に匹敵するまでのだ、咲が通っている学園の経営家でもある。
「そうした人達もね」
「それは凄いですね」
「そうでしょ、それで私は今日占ってもらいたいこと占ってもらったから」
 それでというのだ。
「よかったわ、じゃあまたね」
「はい、またいらして下さい」
「そうしてね、あと貴女はじめて会った時より可愛くなってるわね」
 咲にこうしたことも言った。
「そうなってるわ」
「そうですか?」
「ええ、恋をしてるのかしら」
「それはないですけれど」
「そうなの」
「ただ高校に入って」
 そうしてというのだ。
「ファッションとか勉強してます」
「そうなのね」
「そのせいでしょうか」
「それはいいわね、けれどそれを差し引いても」
「それでもですか」
「随分奇麗になったら」
 咲の顔だけでなく全体を見て話した。 
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