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イベリス

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第二十七話 旅行に行かなくてもその二

「もう何かとね」
「そうしたところには行かないことよ」
「旅行に行っても」
「海外でもね、海外は実際にね」
「治安の悪いところあるわね」
「そうよ、山賊みたいなのがまだいたりね」
「山賊って」
「内戦が続いている国は問題外よ」
 それこそというのだ。
「そうした国はね、それでね」
「行くにしても安全な場所ね」
「そうした国や場所に行くなら」
 それならというのだ。
「お母さんもね」
「いいのね」
「そう、行ってきなさい」
 こう娘に告げた。
「お金を貯めてね」
「そうするわね」
「それがお金のいい使い方よ」
「ギャンブルとかには使わないで」
「旅行とかによ」
 そうしたことにというのだ。
「使うべきなのよ」
「そうなのね」
「使って返って来ることにね」
「旅行は返って来るのね」
「色々なものを見てね」
 そうしてというのだ。
「だからいいのよ、日本の中でもね」
「色々行くといいの」
「そうよ、お母さんは今年の夏はお父さんと箱根に行って」 
 そうしてというのだ。
「肩凝りなおすわ」
「肩凝りまた酷いの」
「そうなの、だからね」
 母は実際に肩に手を当てながら話した。
「箱根でね」
「夏でしょ、箱根行くの」
 咲は母に問うた。
「だったらね」
「まだ時間あるから」
「今のうちに治さない?」
「どうやってよ」
「中学の時お友達に聞いたの」
 咲は母に話した。
「お風呂であったまって」
「お風呂なのね」
「それで一旦出て冷たいシャワーで冷やしてまたね」
「お風呂に入るのね」
「湯舟でね、あっためて冷やしてを繰り返すと」
 そうすればというのだ。
「肩凝りにいいらしいわ」
「そうなの」
「それでストレッチもね」
 これもというのだ。
「するとね」
「いいのね」
「それで全然違うらしいわ」
「ストレッチね」
「それとお風呂ね」
「そういえばお母さんお湯にあまり浸からないわ」
「ストレッチもしないわね」
 母に問うた。
「そうよね」
「ええ、そちらもね」
「けれどこうしたことしていったらね」
「肩凝りよくなるのね」
「本当に違うみたいだから」
 それでというのだ。
「やってみたら?」
「そうね。じゃあ早速今日からね」
「お風呂に入ったら」
「湯舟に浸かってね」
「それであったまってね」
「そこで冷たいシャワー浴びるのね」
「それで身体を冷やしてね」
 そしてというのだ。 
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