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ハッピークローバー

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第一話 幸せとは何かその七

 富美子はすぐに携帯の連絡を検索した成海君とあるのを見付けてそこに連絡をした、するとだった。
 すぐに若い男の声で言ってきた。
「かな恵どうしたんだ?」
「ああ、私富美子だから」
「富美子ちゃん?どうしたの?」
 ここにいる四人共顔馴染みなので慣れた感じだった。
「かな恵また酔ってるの?」
「そうなの、もうベロンベロンでね」
「それで俺に迎えに来て欲しいんだ」
「いい?」
「いいよ」 
 あっさりとした返事だった。
「俺かな恵の彼氏だしね」
「だからなのね」
「幼馴染みだし」 
 このこともあってというのだ。
「いいよ」
「じゃあお願いね」
「うん、しかしかな恵相変わらずだよね」
「お酒好きなのよね」
 富美子はやれやれといった顔で応えた、横では一華が彼女に代わってかな恵を肩に担いでいる。一華の方が背は低く体重もないがそうしている。
「全く、いつも飲み過ぎるから」
「そこがいいんじゃない?」
「そうなの?」
「愛嬌があってさ、俺も好きだし」
 自分もというのだ。
「だからさ」
「お酒のことはいいの」
「俺としちゃね、それで今何処にいるの?」
「団地の近くのカラオケボックスの前を」
「ああ、ビッグエイト」
「八条グループのカラオケね」
 その店の前だというのだ。
「そこにいるから」
「じゃあ今すぐ行くよ」
「それじゃあ待ってるわね」
「そうするね」
「これでよし、携帯返すわよ」 
 富美子は話を終えると一華が担いでいるかな恵に言った。
「いいわね」
「うん、成海君いなくても大丈夫なのに」
「大丈夫じゃないから連絡したのよ」
 今度は彼女を担いでいる一華が言ってきた。
「そうなのよ」
「歩いて帰られるわよ、ここから団地まで目と鼻の先だし」
「それでもフラフラじゃない」
 一華はかな恵を担いだまま言葉を返した。
「私達だとあんた連れて帰ったらどうなるかわかってるの」
「リトルグレイか何かみたいになるのよね」
 留奈が言ってきた。
「宇宙人の両手をそれぞれ持って連行する」
「そうそう、あの写真みたいになるのよ」
 一華は留奈に応えてかな恵に話した。
「引き摺られて帰りたいの?」
「大丈夫よ」
「そう言って今も担がれてるし」
「流石にそれは気が引けるから」 
 理虹もかな恵に言った。
「ここは成海君が一番よ」
「本当に大丈夫なのに」
「酔ってる人の大丈夫って言葉程あてにならないものはないわよ」
 理虹はこうも言った。
「だからよ」
「それでなの」
「そう、成海君に連れて帰ってもらうから」
 また富美子が言った、一華はかな恵の右肩を担いでいるがここで富美子は彼女の左肩を担いだ。もう携帯は返している。
「いいわね」
「悪いわね」
「悪くないわよ、これ位」
 一華が笑ってそれはいいとした。 
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