ハッピークローバー
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第一話 幸せとは何かその一
クローバー
第一話 幸せとは何か
米田一華は黒髪を短く奇麗に首の後ろから鎖骨のラインまで斜めに切り揃えている。髪の毛に可愛らしいアクセサリーを付けることを忘れていない。黒目がちの大きな目で唇は赤で小さい。目鼻立ちは可愛く整っていて背は一五八程だ。
その彼女が今カラオケボックスでぼやいていた。
「幸せって何かな」
「ポン酢醤油があるところでしょ」
隣にいる村山冨美子が応えてきた、金髪にした髪の毛を伸ばしやや派手めなメイクの釣り目の少女だ、眉は細くしていてアクセサリーも金や銀で服の着こなしも派手だ。背は一六四程ですらりとしたスタイルだ。
「そうでしょ」
「それ昭和でしょ」
一華は登美子を見ないで返した。
「さんまさんの」
「そうだった?」
「そうじゃなくて」
カルピスサワーを飲む登美子にさらに言った。
「具体的なね」
「幸せが何かっていうのね」
「そう、それって何かしら」
「また難しいこと言うわね」
高津理虹が応えた茶色にしたおかっぱ頭であどけない顔立ちで目は大きい。背は一五〇位で服の着こなしは少女チックである。小柄であるが胸はわりかしありハイソックスはかなり可愛らしい柄である。
「そんなの言われてもね」
「美味しいもの食べたり何かいいことがあったらね」
村田留奈も話に入った、皆今はカラオケよりもおしゃべりと飲み食いに興じているが瑠奈が一番食べている。地毛の赤茶色の毛を伸ばしポニーテールにしているやや面長の顔で細い眉と丸い目を持っている。背は一六二程だ。ファッションは動きやすいものだ。
「それで幸せとか?」
「そういうのが幸せ?」
一花は三人の言葉に考える顔で返した。
「そうなの?」
「だってね、いきなり言われてもね」
どうかとだ、登美子は飲みつつ返した。
「返事に困るわよ」
「そうよ、さっきまで歌ってたのに」
それがとだ、留奈も言った。
「急に幸せとかね」
「カラオケだから歌って飲んで食べたらね」
理虹は林檎サワーを飲みながら言った。
「それでよくない?」
「まあそれはね」
一花は理虹のその言葉にそれはと返した。
「そうかしら」
「そうよ、だったらまたね」
「歌えばいいのね」
「そうしたらいいでしょ」
「幸せって何でもでしょ」
白ワインを楽しそうにごくごくと飲んでいる鈴木かな恵がここで言った、染めている赤毛はやや波がかり胸まで伸ばして二つに分けて縛って垂らしている。穏やかな顔立ちで目はやや垂れている。背は一六五位で五人の中で一番高く胸もかなり目立っている。服は露出がないが生地は薄い。
「それって」
「何でも?」
「こうしてお酒飲んでね」
言いつつ白ワインをさらに飲む。
「ピザとか唐揚げ食べて歌ったら」
「幸せっていうの」
「実際今一華ちゃん幸せって感じてるでしょ」
「まあね」
それはとだ、一華も答えた。
「そう言われるとね」
「そうよね」
「歌って飲んで食べて賑やかにお喋り出来て」
それでというのだ。
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