イベリス
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第二十五話 アルバイトもしてその十
「幾らあってもよ」
「宝くじに当たっても」
「ああ。そんなの何でもないわよ」
例え宝くじに当たってもというのだ、よく人生において最大の幸運とまで言われることであるがだ。
「それこそね」
「三億よね」
「三億当たっても変な使い方すればね」
それでというのだ。
「あっという間よ」
「なくなるの」
「自称番長見なさい」
この元プロ野球選手をというのだ。
「宝くじの十倍以上稼いだでしょ」
「現役時代ね」
「けれどね」
それがというのだ。
「今何て言ってるかあんたも知ってるわよね」
「わしが稼いだお金何処行ったかってね」
咲も答えた。
「そう言ってるわね」
「それはね」
「それだけ稼いでも」
「年棒が宝くじ以上あってもよ」
普通の人の最大の幸福と言われる以上にというのだ。
「お酒に女の人にね」
「覚醒剤ね」
「馬鹿なことばかりに使って」
それでというのだ。
「ああなったのよ」
「そういうことね」
「あの人見れば一目瞭然でしょ」
「お金は幾ら稼いでも」
「馬鹿な使い方すればよ」
「すぐになくなるのね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そういうものなのよ、そして持っている人にね」
「持っている人?」
「そう。お金持ちにね」
そう言われている人達にというのだ。
「集まるものよ」
「それ前にも誰かに言われたけれど」
「その通りよ、お金はね」
「お金のある人になの」
「集まるの」
「そうなのね」
「寂しがり屋だから」
だからだというのだ。
「集まるのよ」
「お金のある人に」
「貧乏神が憑いてると」
「集まらないのね」
「そして貧乏神もね」
こう呼ばれている存在もというのだ。
「無駄遣いしない人にはなのよ」
「憑かないの」
「最初からね」
そうだというのだ。
「そうしたものなのよ」
「じゃあ幸せに暮らすには」
「お金に困らない様にね」
「それにはなのね」
「そう、無駄遣いしない」
このことがというのだ。
「大事なのよ」
「そういうことね」
「だから咲もね」
「これからは」
「お金は使うけれど」
そうしたものだがというのだ。
「無駄遣いはね」
「しないことなのね」
「一旦減ったらね」
「お金は寂しがりだから」
「沢山ある人のところに行ってね」
そしてというのだ。
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