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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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6-⑺

 7月の中頃、美鈴の言っていたように、店は時間も変更して、一部メニューも変えて営業し始めた。松永さんとも晋さんにも充分説明したと言って居た。二人とも、美鈴が言うんだったら、協力すると言って居たそうだ。ただ、僕は、朝8時から10時までの時間はメニューを絞って、飲み物と簡単なモーニングセット、カレーライスのみにした方が良いという意見だったので、メニューの内容は舞依ちゃんに任せたみたいだ。基本的に、朝の時間帯は彼女に任せる方向らしい。出勤時間も朝7時30分からにしてもらって夜の開店時間少しして、上がってもらうようにしたら、彼女も快く承諾したとのことだった。友達と遊べるので、その方が良いらしい。

 夜は5時以降に、大学生のバイトがひとり入り、調理の方も調理学校を卒業したという若い男の子が入った。舞依ちゃんは、予定どおり、時間がくると帰って行くそうだが、晋さんは、いつまでも居るので、美鈴は見かねて、帰れ帰れというのだが、ずるずると居るそうだ。

 7月も終わる頃、土曜の夜の遅い時間に、僕は店に行ってみた。10時前だったが、店の中はテーブル席が1組ぶんしか空いてなくて、カウンターにも、カップルの他、数人が座っていた。

「美鈴 順調だね」

「うん でもね、平日はこの時間になると1組か2組なのよ でも、朝は以外と多いのよ 舞依ちゃんも本当によくやってくれているわ」

「そうか あの子も愛嬌があって、一生懸命だからね ファンが多いよね」

「そうなのよ 完全に常連さんを掴んじゃってね でも、休日でも意外と朝も皆様来て下さるのよ 若い人も多くって、朝食がわりだって それにね、バイクのグループもたまに来るの」

「柄の悪い連中か?」

「うん でも、礼儀正しいわよ」

「美鈴 身体のほう大丈夫か? 美鈴のことだから、朝から閉店までいるんだろう?」

「うん しばらくはね あーそー言えばね この前、光瑠がひょっこり来たのよ」

「めずらしいな 忙しいんだろう あいつも だいぶ会って無いなぁー」

「うん でもね 帰る前に、嫌味言われちゃった」

「へぇー あいつ そんなこと言うやつじゃぁ無いのにな」

「あのね 晋さんのことなのよ 完全に労働時間オーバーでしょって 身体壊したら、あんたが雇用主なんだから、甘えてないで、もっとちゃんとしなさいよって」

「なるほどー 厳しいな あいつらしいかも」

「うーん でも、晋さんのことだから余計なのよ」

「あっ そうか まだ、あきらめていないのか」

「そうよ それどころか ちょくちょく、休みの日に晋さんのとこに行っているみたいなのよ 割と、真剣に好きになったみたいよ」

「そうかー からかうつもりじゃぁないけど あの姉妹も大変だね 熱くなるんだよな」

「光瑠が前に気にしないでって、言っていたから、あれから聞けないんだけどね 晋さんにも」

「光瑠の性格からするとな あー そういえば、うちのお母さんが、又、温泉誘って良いかなって聞いて来いって言われていた 息抜きにだって」

「ええ うれしいですって言っておいてちょーだい でも、この前も色々買ってもらったきりで、お返しもしていないしなぁー」

「そんなのいいよ 向こうが好きでやっているんだし、そうしたいんだろうし いいなぁ 僕も美鈴と一緒に入りたいよ」

「バカねぇ そのうちにね」

「美鈴のそのうちって、先が長いよなぁー」
 



 

 
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