麗しのヴァンパイア

　　　　　　　　　　　　　　第三百八十六話　　プールに行って
　クラウンのメンバーは全員でプールに行った、この時華奈子は美樹を見てこんなことを言ったのだった。
「美樹ちゃん泳ぐ時もポニーテールよね」
「そうだけれど」
　美樹はすぐに答えた、まだ更衣室に入っていない。
「それがどうしたの？」
「そうよね、髪の毛濡れてもいいのね」
「別にね、拭く時はね」
　この時はとだ、美樹は話した。
「ほどいてね」
「寝るのね」
「そうしてるの」
　こう華奈子に話した。
「私はね」
「そうなのね」
「ええ、ただね」
「ただ？」
「今日プールの後お風呂入るのよね」
「皆でね」
　華奈子が言い出しっぺなので彼女が答えた。
「そのつもりよ」
「このプールお風呂もあるから」
「だからね」
　それでというのだ。
「皆で泳いだ後は」
「プールね」
「美奈子が言うにはお風呂の前に飲みもの飲まないと駄目らしいけれど」
「ええ、水泳も汗かいてるから」
　水の中だがとだ、美奈子は答えた。
「それも激しい運動だから」
「汗かいてるのね」
「お水の中だからわからないけれど」
　それでもというのだ。
「汗をかいていることは事実だから」
「ちゃんとね」
「泳いだ後とね」
　そしてとだ、美奈子はさらに話した。
「お風呂の後もね」
「入るべきね」
「そうなの」
「だからね、何か飲んで」
　そうしつつというのだ。
「お風呂も入りましょう」
「それじゃあね」
「お風呂の時は水着脱いでね」
　華奈子は笑ってこうも言った。
「それで美樹ちゃんも」
「その時は」
「髪の毛ほどいてね」
　そうしてというのだ。
　こう話してだ、クラウンのメンバーはプールに入った。水着に着替えた美樹はポニーテールをほどかなかった。


第三百八十六話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０２１・７・２１