レーヴァティン
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第二百二十一話 道を調べたうえでその十一
「祖国を滅ぼすまではな」
「捕虜でござるな」
「祖国が残ってたらこっちに入れてもな」
「戻る者もいるでござる」
その祖国にというのだ。
「だからでござるな」
「ああ、だから降った奴もな」
「前線には出来る限り出さない」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「戦っていくな」
「そうするでござるな」
「ああ、それでこれからな」
「山脈は制圧したでござる」
「さらに進むな」
「北に」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「これからな」
「攻め込んでいくでござる」
「そうするな」
「では」
「進撃を続ける」
こう言ってだった。76
久志は軍を山脈からさらに先に進めさせていった、ここで彼は芳直と剛が率いる水軍と彼等の動きを聞いた。
「そうか、スカパフローにか」
「入られました」
「そしてです」
「あの港を占拠されて」
「拠点にされました」
士官達が報告した。
「そしてです」
「その他の場所も攻めて」
「そのうえで連合王国を脅かしています」
「そうされています」
「そうか、それじゃあな」
それならとだ、久志は話した。
「もうな」
「それではですね」
「連合王国軍は北にも兵を向けていますね」
「その様にしていますね」
「今は」
「狙い目だ、敵の兵が少ないなら」
久志はその目の光を鋭くさせて述べた。
「エジンバラまでもな」
「敵の首都ですね」
「スコットランドの」
「そこまで、ですね」
「攻めていきますね」
「ああ、そしてな」
久志はさらに話した。
「あの街をな」
「陥落させますね」
「その様にしますね」
「敵の兵が少なくなれば」
「ああ、そうすることもな」
まさにとだ、こう言ってだった。
久志は兵を山脈からスコットランドの国土の中にさらに進ませた。連合王国との戦はまさに佳境に入っていた。
第二百二十一話 完
2021・8・8
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