突きつけられた引導
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第二章
「もう即座にです」
「ことは進められますね」
「ではですね」
「我々がすることは少しですね」
「子供達の保護と」
「二人の逮捕ですね」
「はい、ではお願いします」
文太の兄も警官達に言った、そして。
警官達は家の玄関のところに来てチャイムを鳴らした、そして応対に出た二人に警察手帳と令状を見せてだった。
驚く彼等をよそに二階に上がり上の娘を保護した、それから。
百田家の若い夫婦の手に手錠をかけて言った。
「児童虐待の現行犯で逮捕」
「時間九時」
「これから警察に連行する」
「ちょ、ちょっと待って下さい」
「私達が何したんですか」
「子供をほったらかしにしただろ」
驚くばかりの夫婦の前にだった、文太は出て告げた。
「それでだ」
「子供?育ててますよ」
「っていうか何で貴方がここにいるんですか」
「まさか貴方がですか」
「貴方が警察を呼んだんですか」
「俺と兄貴がな」
文太は自分の兄も指差して二人に告げた。
「そうした、この時を待っていた」
「この時?」
「この時って何ですか」
「お前等が上の娘をほったらかしにしている証拠が出る時をな」
文太は二人に再度告げた。
「待っていた」
「お前等に二人目の子供が出来たと聞いた時にこうなると思っていた」
文太の兄も告げた。
「絶対に上の娘はほったらかしにするとな」
「ちゃんとミルクはあげてました」
妻の方が反論した。
「問題なかったです」
「それは警察が見ることだ」
取り調べをしてというのだ。
「お前等じゃない、だからな」
「私達が育児放棄をしたっていうんですか」
「自覚していなくてもな」
それでもというのだ。
「そうだ、お前等はこれで終わりだ」
「逮捕されて前科がついてだ」
文太はこの現実を述べた。
「育児放棄で親権を放棄させられる」
「上の娘だけじゃない、下の娘もだ」
文太の兄がまた言った。
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