僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結
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4-⑼
お店の方は、新しい人を雇うことにしていた。白川さんと言って、9時から午後の2時まで、もうすぐ40才になると言う主婦の人で、お弁当のほうもあるし、洗い物なんかもやってもらっていた。子供さんは、2人いて、もう中学生なので、土曜、日曜も出勤しても良いと言うので、助かっていた。
だから、僕達も、もう手伝って貰わなくても良いよと言われていた。だから、気が抜けたみたいになっていた。やることも無く、新しく出来た待合所の窓を清掃したり、草むしりなんかをしていた。明璃ちゃんだけは、お料理のサービスで必要だからと、相変わらず、手伝っていた。
「店長 あの待合所の空いている壁 殺風景ですよね 私 つまんないと思います」と、明璃ちやんが美鈴に言っていた。
「そうねえ 明璃ちゃん 絵でも描いてくれる?」
「私 専門じゃぁ無いので でも、提案なんですけど、どこかのポスターを貼るようにしたらどうでしよう 京都の観光地とか、幾らかでも、お金取れるかも 後ね、絵本をポスターにするんですよ そうしたら、待っているお子さんなんか退屈しないんじゃぁないかなって、思ったりもするんですよ」
「明璃ちやんの言う通りね 素晴らしいわ 絵本のほうは、作るの難しいわね」
その後、美鈴は堤さんに相談したが、難しいと断られたらしい。片側しか壁もないし、風雨で貼ったものが飛ばされるし、カバーをするにしても、ガラスは割れたら危ないし、アクリル板では高いものになってしまうという理由だった。もともとが、海外の安い木とか古材を使っていて簡単なものだし、窓もフィルムを貼って飛散防止してあるけど、強風の時は、逆に窓を開けといたほうが良いと言われていたのだ。
それでも、美鈴は2枠だけお願いして作ってもらった。白川さんの提案で、自作の俳句とか川柳、そして、もう一つは子供の絵とかを自由に貼りだしてもらうスペースだ。気楽に、発表することによって、店への愛着も湧くんじゃぁ無いでしょうかと、いうものだったらしい。
そして、翌日がお店の定休日だというので、火曜日の夜。営業が終わった後に、集まっていた。僕に、昇二、明璃、そして、光瑠、晋さんと舞依ちゃんも残っていた。美鈴が言い出したおせち料理のメニュー決めをする為だった。
「今日は、おせちの品数、外装、宣伝方法を全て決めてしまうわよ 30日はお昼の営業まで、31日はお弁当のみにして、おせちのお渡しだけ 元旦と2日はお休みして、3日はお弁当だけ、4日から通常営業にするわ」と、美鈴は言い切っていた。
その日は、美鈴の思っていることを、とりあえず決めて、クリスマス用の持ち帰りの特別メニューも決めたのだ。
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