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イベリス

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第二十二話 ゴールデンウィークに入りその六

「そうでしょ」
「そうね」
 速水の言葉を思い出しつつ頷いた。
「所長さんもそんなこと言われていたし」
「だったらね」
「悪いことを避けられてなのね」
「よかったわよ」
 娘に笑顔で述べた。
「本当にね」
「何が起こったか知りたいんじゃなくて」
「何も起こらなくてよ」
 それでというのだ。
「よかったのよ」
「何が起こったかよりも」
「悪いことを避けられて」
「よかったのね」
「無事が何よりでしょ」
 娘に笑顔でこうも言った。
「あんたもそう言ってたし」
「そうね、じゃあ」
「晩ご飯作るから」
 今からというのだ。
「待ってなさい」
「私も手伝うわ」
「あんたも?」
「いいわよね」
「お手伝いを断る親はいないわよ」
 子供がそう言ってきてというのだ。
「じゃあね」
「ええ、何すればいいの?」
「切ってくれる?あとお米研いでね」
 早速娘に答えた。
「そうしてね」
「食材切ってなのね」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「お米ね」
「わかったわ、じゃあ早速ね」
「やっぱりね」
 ここでこうも言った母だった。
「お料理もね」
「出来ないと駄目ね」
「女の子だからとは言わないわよ」
 母はそうだった。
「男の子でもね」
「やっぱりよね」
「お料理が出来たらね」
 それならというのだ。
「それに越したことはないから」
「そうよね」
「毎日コンビニ弁当やインスタント食品とかね」
「冷凍食品も同じね」
「これ絶対身体によくないから」
 母は断言した。
「外食もいいけれど」
「高くつくしね」
「それに味付けが濃かったり栄養バランスも」
「偏りがちね」
「だからね」
 それでというのだ。
「自分でお料理出来る方がね」
「いいわね」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「あんたもよ」
「お料理は出来ることね」
「そして食べるなら」
「栄養バランスはしっかりね」
「お肉やお魚にね」
 さらにというのだ。
「お野菜や果物もよ」
「食べないと駄目ね」
「お豆腐もね、いいわね」
「そういうのを食べて」
 そしてというのだ。 
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