イベリス
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第二十二話 ゴールデンウィークに入りその四
「好きです」
「そうですか」
「それで先程お話したハンバーグも」
「お好きですか」
「そしてハンバーガーも」
こちらもというのだ。
「好きです。そしてお酒は」
「飲まれますか」
「ワインをよく飲みます」
「ワインですか」
「赤も白も」
どちらもというのだ。
「好きです」
「そうなんですね、じゃあ嫌いなものは」
「そうですね、ないですね」
少し考えてから咲に答えた。
「これといって」
「そうですか」
「はい、それとお豆腐もです」
「お好きですか」
「湯豆腐も冷奴も」
どちらもというのだ。
「まことに。そして最近は鯨を」
「ああ、鯨ですか」
「よく食べます」
「鯨も海のものですね」
「本当に魚介類が好きで」
それでというのだ。
「よく食べます」
「そうなんですね、焼き魚もですか」
「そうです、秋刀魚も鰯も鮭も好きで」
そしてというのだ。
「川魚も」
「鮎とかですか」
「好きです、川魚は特に鯉が」
この魚がというのだ。
「好きです」
「鯉もですか」
咲は意外といった顔で速水に言った。
「あの、鯉は。というか川魚は」
「こちらも美味しいですよ」
「あの、怖くないですか?」
こう言うのだった。
「あたると」
「よく言われていますね」
「虫がいて」
「ですから確かなお店で、です」
「川魚は召し上がられていますか」
「危ないことは私も承知していますので」
寄生虫がいることはというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「はい」
速水自身もというのだ。
「その様にです」
「気をつけられていますか」
「そうしてます」
「それで美味しいんですね」
「左様です。兎角魚介類は何でも好きです」
「川のものも含めて」
「はい、旅行に行きますと」
その時はというのだ。
「海ですと」
「魚介類をですか」
「楽しむことが多いです」
「そうでしたか」
「ですがお肉もです」
こちらもというのだ。
「好きでして」
「楽しまれますか」
「そうしています」
「嫌いな食べものはそれで」
「特にないです」
「そうなんですね」
「ただ、イギリスに行った時は」
この時のことは苦笑いで述べた。
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