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ドリトル先生と幸せになる犬

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第八幕その八

「だからね」
「それでだね」
「これからもだね」
「僕達と一緒に暮らして」
「学問もしていくね」
「そうしていくよ、ただね」
 こうも言う先生でした。
「日本にあまりに馴染んでしまって」
「文化にも気候にも景色にも」
「そして食べものにも」
「人にもだね」
「その全てに馴染み過ぎて」
 それ故にというのです。
「もうね」
「他の国では暮らせない」
「そうなんだね」
「先生にとっては」
「そうなんだね」
「イギリスにもね」
 生まれ育ったお国でもというのです。
「もう暮らせないかもね」
「日本みたいに食べものが美味しくないし」
「それに日本みたいにお風呂も充実していなくて」
「それでだね」
「うん、だからね」
 それでというのです。
「もうね」
「先生にとってはだね」
「もう他の国で暮らせない」
「イギリスでも」
「そうなっているよ、このスパゲティも日本みたいに多くのお店にないし」
 イカ墨のスパゲティもというのです。
「それに紅茶だってね」
「日本の方が美味しいし」
「そう考えたらね」
「日本からだね」
「離れられないよ、ただね」
 先生はまたスパゲティを食べつつ言いました、見ればスパゲティもサラダもかなり減っています。皆もかなり食べています。
「イギリスへの愛情はね」
「なくならないよね」
「衰えないね」
「そうだね」
「生まれ育った国だから」
 それ故にというのです。
「本当ね」
「そうだよね」
「僕達だってそうだよ」
「イギリスのことは忘れないよ」
「愛情もね」
「そうだよね、日本から離れられなくなっても」
 それでもというのです。
「イギリスへの愛情は変わらないよ」
「そうでないとね」
「生まれ育った国だから」
「そうした愛情は自然に育つし」
「大事にしないとね」
 動物の皆も言います、そしてです。
 先生は皆と一緒にお昼を食べてから午後の講義を行って論文を書いてからお家に帰りました、そうしてでした。
 お家でまた祖国イギリスのお話をしていますと。
 トミーもです、こう言いました。
「そうですよね、もう僕達国籍は日本ですが」
「それでもだね」
「イギリスは生まれ育った国ですから」
「愛情はあるね」
「当然として」
「生まれ育った国を愛さない人ってそうはいないよね」
 ホワイティが言ってきました。
「そうだよね」
「そんな人滅多にいないよ」
「いても相当な変わり者だよね」
 オシツオサレツも二つの頭で言います。
「そうだよね」
「生まれ育った場所なのに」
「何か日本の知識人にはいるみたいだけれど」
 ポリネシアは首を捻って言いました。 
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