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レーヴァティン

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第二百二十話 ハイランダーの影その八

「次第にね」
「退いていってるな」
「宮城の奥までね」
「じゃあそこに逃げ道があるな」
「おそらく王様が最初にそこに入ったよ」
 その逃げ道にというのだ。
「何しろ敵にとっては絶対に守らないといけない人だから」
「チェスと同じだ」
 正も言ってきた。
「キングは絶対にだ」
「守らないとな」
「キングを奪われるとな」
「チェスも負けだしな」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「連合王国は間違いなくな」
「もう王様は逃がしてるな」
「そうしている、そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「後の兵達もな」
「逃げていってるな」
「それで後詰めの者達もな」
「退いていってるんだな」
「おそらくこれは王の命だ」
 それによるものだというのだ。
「後詰めの者達もな」
「最後まで戦わないか」
「逃げられるならな」
 それならというのだ。
「下がる様にな」
「言われていてか」
「それでだ」 
 今はというのだ。
「下がっている」
「そういうことか」
「そうだ、もう王はリバプールにはいない」
「既に退いているか」
「そしておそらくスコットランドにな」
「向かっているか」
「そうなっている、だからな」
 敵の王がその様に動いているからだというのだ。
「俺達は次はな」
「スコットランドか」
「そこで戦うことになる、いいな」
「ああ、それじゃあな」 
 久志は正に応えた。
「次はな」
「スコットランドに向かうな」
「そうするな、そして敵兵達はな」
 宮城にいる彼等のこともだ、久志は話した。
「このまま攻めていくな」
「簡単には撤退させないな」
「一人でも多く倒すか捕虜にするな」
 勿論倒した兵も手当てをしたり復活させて一旦捕虜にする、そして戦が終われば自軍に迎えるのだ。
「そうするな」
「ではな」
「そのまま攻めていくな、あと抜け道はな」
「見付けてだな」
「調べる」
 それも行うというのだ。
「そして以後どう使うか」
「抜け道も大事やで」
 美奈代が言ってきた。
「いざって時はあるからな」
「逃げるは恥じゃないからな」
「忍者屋敷にもあるやろ」
「常だよな」
「そやからな」
「抜け道を調べてな」
「いざって時に使うこともな」
「有り得るな」
 こう美奈代に返した。 
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