イベリス
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第二十話 ゴールデンウィークの予定その八
「タイとかインドネシアとか」
「昔はずっと貧しかったのです」
「その時のことですか」
「貧しい国に進出して搾取する」
「お仕事することがですか?」
「そう言っていたのです」
「本当に訳がわからないです」
少なくとも咲には全く、だった。それで首を傾げさせた。
「どういうことか」
「ですから共産主義の論理です」
「それでなんですか」
「はい、言っていました」
「経済侵略って」
「そしてやたら喧伝して企業も批判していました」
「そうだったんですね」
まだわからないが言葉は返した。
「それでそう言った人達もですか」
「責任は取っていません」
「そうなんですね」
「そして今も普通に暮らしています」
そうだったというのだ。
「反省しないまま」
「そうなんですね」
「そして何かと言っています、基地の前にも」
そこにもというのだ。
「いる人達です」
「基地っていいますと自衛隊の」
「そしてアメリカ軍の」
「デモをしている人達ですね」
「あの人達もそれです」
速水は看破する様にして語った。
「日本の経済侵略だの。アジア再侵略だの」
「侵略好きですね」
「根拠が的外れなことを言っていて」
「今もですか」
「そうしたことをしています」
「何かネットで聞きました」
咲はそちらの知識から速水に応えた。
「運動家の人達ですね」
「沖縄で活動していますね」
「何かいつもデモしている」
「不思議ですね、平日のお昼からです」
「デモしていますね」
「毎日そうしていますが」
平日の昼にデモをしているがというのだ。
「働いているのか」
「それ不思議ですね」
「もうそこにです」
まさにというのだ。
「答えは出ているかと」
「働かないで、ですか」
「生活費、お金の出所がわからない」
「そんな人達ですか」
「お金の出所がわからない人には近寄らないで下さい」
速水は咲にきっぱりとした口調で話した。
「何があっても」
「そうした人にはですか」
「裏社会、危険な勢力からです」
「出ているかも知れないですか」
「若しくは犯罪を犯している」
「碌でもないお金の出所だからですか」
「絶対にです」
そうした輩はというのだ。
「信用してはいけません」
「危ない人だからですね」
「はい」
まさにというのだ。
「ですから」
「そうした人はですか」
「信用しないで」
そしてというのだ。
「近寄ってはいけません」
「何があってもですか」
「ああした人達は。実際にです」
ここでだ、速水はまたカードを引いた。そのカードは。
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