レーヴァティン
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第二百十九話 四国分裂その一
第二百十九話 四国分裂
久志は軍の主力を率いてリバプールに向かっていた、すると次々にイングランドにウエールズそしてアイルランドの諸侯や街や村が降ってきたとの報が来た。
教会や神殿もそうなっていた、ここで彼は言った。
「連合王国もカトリックが多いな」
「プロテスタントもありますが」
夕子が枢機卿として応えた、カトリックの要人として。
「ですがやはり」
「この国もだよな」
「カトリックの信者が多いです」
「そうだよな」
「イングランドはプロテスタントも多いですが」
「後の三国はな」
「カトリックが主流です」
そうだというのだ。
「スコットランド、ウエールズ、アイルランドは」
「そうだよな」
「この浮島全体がです」
「キリスト教はな」
「東は正教の勢力ですが」
「全体で見るとな」
「カトリックが多いです、ですから」
夕子はこのことからさらに話した。
「我々があらゆる宗教を認め」
「カトリックもそうだとな」
「安心してです」
そのうえでというのだ。
「降るものです」
「信仰が自由だとな」
「幸いこの浮島いえ世界でもです」
「信仰は寛容でな」
「その保護は常識ですが」
「常識を守るとな」
久志も言った。
「当然のことでもな」
「大きいです」
「そうだよな」
「若しここで」
夕子は眉を曇らせて言った。
「それをしないと」
「それだけ従わない勢力が多いな」
「信仰も重要です」
「それを認められるとな」
「それだけで支持する人が増えます」
「そうだよな」
「信仰も」
これもというのだ。
「守ることであり」
「認めることだな」
「それもまた政です」
「そうだよな、カルトでもないと」
所謂おかしな宗教でもないと、とだ。久志は述べた。
「認めないとな」
「特定の宗教を贔屓したり排除するとね」
剛も言ってきた。
「十字軍とか異端審問とかね」
「とんでもないことになるな」
「そうなりかねないことを思うと」
「基本認めるべきだよな」
「どんな宗教でもね」
「だから連合王国でも順調に攻めていけてるな」
「この国の宗教も認めているからね」
それ故にというのだ。
「それでだよ」
「そうだな、それえな」
久志はさらに言った。
「宗教は認めてな」
「政にはね」
「介入させないことだな」
「聖職者は聖職者でね」
「宗教のことに専念してもらってな」
「政はね」
「議会や官僚組織とな」
「僕達でね」
「やっていくな」
「そこは分けるね」
「政教分離だよ」
久志ははっきりと言い切った。
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