イベリス
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第二十話 ゴールデンウィークの予定その四
「その場合はカードを一枚出すだけですが」
「それでどうかですね」
「この場合は即座にわかりますが」
しかしというのだ。
「細かいことはわからないので」
「だからですか」
「無力となります」
「そうなんですか」
「細かいところまで見極めるのがです」
それがというのだ。
「私の本来の占いなので」
「そうした時はですか」
「お金が必要です、そして占いは絶対ではないです」
「未来を見るんですよね」
「運命を。ですが運命は変えられます」
速水は咲に話した。
「貴女も若しあの時コンビニにそのまま入っていますと」
「麻薬の密売人に引っ掛かって」
「大変なことになっていた可能性が」
「そうでしたね」
「ですが運命は変えられるのです」
速水はまたこう言った。
「占いは道標なのです」
「運命のですか」
「人生のです、危険があれば」
それが占いで出ればというのだ。
「それを避ける為にどうすべきか」
「それが大事ですか」
「そうです、幸運があれば」
やはり占いで出ればというのだ。
「それにどう辿り着くか」
「それを見せる道標ですか」
「それが占いです」
「そうなんですね」
「予言がありますね」
速水はオカルト等で言われるものの話もした、最も有名な予言はやはりノストラダムスのものであろう。
「あれも同じです」
「人類が滅亡すると言われていても」
「それをどう避けるか」
「それが大事ですか」
「最も大抵の預言は適当に書いているだけです」
「予言の本とかですね」
「十年前の予言の本を古本屋で買って下さい」
咲に笑って話した。
「そうすればです」
「わかることですか」
「はい」
一言で答えた。
「ほぼ全て外れています」
「予言が」
「そうなっています」
「そういえば一九九九年に世界は滅亡するんですよね」
「最も有名な予言ですね」
「確かノストラダムスの」
「ですが今もです」
二十一世紀を相当に過ぎてもというのだ。
「人類は存在していますね」
「そうですよね」
「その予言は大騒ぎになりました」
信じて人類は終わると思った者が総統に存在したのだ。
「しかしです」
「今も人類は存在しているので」
「街で売られている予言の本はです」
「大抵は、ですか」
「本を売る為に衝撃的なことを書いているだけで」
人類が滅亡するだの何だのというのだ。
「その実はです」
「当たらないんですね」
「適当なことを書いておけば」
衝撃的なそれをというのだ。
「注目されて売れますので」
「ノストラダムスとかですか」
「予言者の名前を出して」
そうしてというのだ。
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