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レーヴァティン

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第二百十七話 船の中でその五

「本当にな」
「全くですね」
「これをやる奴なんてな」
 それこそというのだ。
「絶対にな」
「信じてはならないです」
「それで友達にもな」
「持ってはいけないですね」
「近付いても」
 そうしてもというのだ。
「駄目だぜ」
「左様ですね」
「こんな汚いことをやる奴はどんなことだってするさ」
 それこそというのだ。
「裏切ったりな」
「そうしたことも」
「どんな汚いことだってな」
「しますね」
「だからな」
「そうしたことを行う輩は」
「絶対に信用しないで」
 そうしてというのだ。
「関わることもな」
「しないことですね」
「自分達の陣営にいるなら」
 その場合のことも話した。
「即刻な」
「取り除くことですね」
「ああ、そう言う奴こそ屑だ」
 久志達が絶対に否定している輩だというのだ、有能と無能で働き者と怠け者を区分したそこから外れた連中だ。
「ゼークトの論理でもボルマンはな」
「排除するしかないですね」
「ああ、屑はな」 
 マルティン=ボルマンはヒトラーの側近だった人物だ。彼に取り入って彼の好む様に動いて国家の全てを貪った。
「有能無能とかな」
「関係ないですね」
「癌細胞みたいなものだよ」
「癌細胞ならば」
「もう取り除かないとな」
 それこそというのだ。
「死ぬだろ」
「確実にそうなるわよ」
 留奈が冷めた目で言ってきた。
「身体中に転移してね」
「だから見付けたらな」
「即座に排除する」
「だからそうした奴も」
「見付けたら」
「排除するしかないさ」
 今話している様な輩はというのだ。
「屑はもうどうしようもない」
「人の下半身を狙う様な奴も屑ね」
「そう思うだろ、実際に」
「屑と言っても色々よ」
 留奈はライム汁を入れたラム酒を飲みつつ答えた。
「そもそも人を貶めることを狙う時点でね」
「屑だよな」
「攻撃するなら論理で攻めるものよ」
 普通はというのだ。
「まともな人ならね、それをしないで」
「貶めにかかる時点でな」
「屑よ」
 そう言うべきだというのだ。
「そしてね」
「その屑の中でもな」
「本当に下半身を狙う様ならね」
「最悪だろ」
「あんたの言う通りよ、そんなことする奴はね」
 それこそというのだ。
「どんな悪いことでもね」
「平気でするな」
「汚いこともね」
「自分の為にな」
「そうしたことをする奴は屑で」
 そしてというのだ。 
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