レーヴァティン
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第二百十六話 王国の終焉その九
「これはウェールズでもアイルランドでもな」
「血筋にある人はいるか」
「その人からこれはっていう人を選んで」
そうしてというのだ。
「王様になってもらえばええ」
「そういうことでな」
「ああ、しかも帝国や」
「皇帝が主だな」
「うちも言うが皇帝は王様の上に立ってる」
「王様を任じられるな」
「そや、それが皇帝や」
そうした存在であるというのだ。
「唯一にして至高である」
「王の上に立つ唯一の存在だからな」
「王を任じられる」
「だからイングランド王もか」
「そしてウエールズ王もアイルランド王もな」
それぞれの国の王達もというのだ。
「そう出来る」
「だからだな」
「ここはな」
まさにというのだ。
「そうしてや」
「連合王国を攻めるか」
「無敵の国家はないんや」
美奈代は笑ってこう言った。
「まさにな」
「一国もだよな」
「どんな国でもな」
それこそというのだ。
「必ず弱点があって」
「そこを衝けるな」
「そういうこっちゃ、ほなな」
「喧伝をはじめるか」
「そうするで、あとな」
「あと?」
「あの国は王国より寒い、雨も多くてや」
気候の話もした。
「霧もや」
「多いっていうんだな」
「そのこともな」
「覚えておかないといけないってことか」
「そや、そうしたことも頭に入れて」
「ドーバー渡るか」
「そうしよな」
美奈代は笑顔で応えた、そうしてだった。
帝国軍は王国の戦後処理を進めそれとともにカレーを中心に王国北岸の多くの港に軍勢を集結させた。
そして手筈が整うとだった。
久志は進撃を命じた、すると。
無数の船が一斉に出発した、空には空船達もいる。久志はその空船達も見てそのうえでこう言った。
「狭い湖峡でな」
「対岸も見える」
傍らにいる芳直が応えた。
「そうした距離だからな」
「すぐに渡れる」
「そうだな、じゃあな」
「制湖権さえ握ればな」
「後は楽だ」
渡れるというのだ。
「そしてだ」
「上陸出来るな」
「そうなる」
まさにというのだ。
「対岸にはもう敵軍が集結しているが」
「その敵軍もな」
「倒していくな」
「そして美奈代が言った通りにだ」
「もうイングランドとかの勢力には喧伝してるしな」
「それぞれの王を立てることをな」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「別動隊はだ」
「アイスランドに向かっているな」
久志が問うた。
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