ドリトル先生と幸せになる犬
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第四幕その六
「経験としては言えないけれど」
「それでもですね」
「多くの人が思うだろうね」
「そうですね」
「人は姿形で人間になるんじゃないよ」
先生はトミーに穏やかな声でお話しました、皆と一緒にご飯を食べながら。
「心でなるね、その心がないとね」
「子供もですね」
「育てられないよ」
こう言うのでした。
「やっぱりね」
「そうですよね」
「子供を育てる人が命を粗末にするなんて」
「もうですね」
「それだけ見てね」
まさにそれだけでというのです。
「答えはね」
「出ていますね」
「そう思うよ。さて後はね」
「ふわりの今のご家族がですね」
「動いてくれたら」
ふわりの動画を投稿してくれたらというのです。
「動くよ」
「そうですね」
「それでね」
「その人達がですね」
「反省してくれたら」
そうなったらというのです。
「僕もね」
「それで、ですね」
「いいよ」
そうしてくれたらというのです。
「ふわりのことを心から反省してくれたら」
「先生は優しいですね、僕だったら」
トミーは怒った顔で言いました。
「とてもです」
「許せないね」
「はい、最低の行いですから」
だからだというのです。
「命を粗末にするなんて」
「生きものは生きているとどうしても他の命を奪うね」
「そうなってしまいますね」
「肉食動物も草食動物もね」
「菜食主義でもですね」
「植物にも命があるから」
先生はこのこともわかっています。
「だからね」
「どんな生きものも他の命を奪って生きていますね」
「そうだよ、けれどね」
「命を粗末にしていい理由はないですね」
「絶対にね、まして家族として迎えたなら」
「愛情を以て育てて」
「一生大切にしないといけないよ」
「ですから」
それでというのです。
「僕としてはです」
「そうした人はだね」
「どうしても許せません」
こう先生に言うのでした。
「それは無理です」
「それは仕方ないね」
先生にしてもでした。
「やっぱり」
「そうだね、しかしね」
「しかし?」
「一つ思うことは」
こうも言う先生でした。
「こうした人達が子供をちゃんと育てられるか」
「絶対に無理ですよね」
「実は僕もね」
「あのままだとですね」
「育てられないよ、そう思うから」
それでというのです。
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