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黒猫マーケット

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第二省

「いいよな」
「そうよね」
「お皿も茶碗も」
「お湯吞みにしても」
「値段もいいし」
「買う?」
「そうする?」
 こう話してだった。
 二人が造った陶芸品を買っていく様になった、そしてバザーが終わる頃には。
 二人が持って来た陶芸品は完売した、それで茜は薊に笑顔で話した。
「よかったわね」
「ええ、午前中はどうにもだったのに」
 薊も笑顔で応えた。
「それがね」
「完売したわね」
「そうなったのはね」 
 まさにとだ、薊は笑顔のままさらに話した。
「やっぱりね」
「この子が来てね」
 茜は黒猫を見て応えた、今彼はぐっすり丸くなって寝ている。
「そのお陰ね」
「そうね、何かね」 
 ここで薊は茜にこうも話した。
「この子のお陰って思うと愛着湧かない?」
「そうね、だったらね」
 茜は従姉の言葉に頷いて述べた。
「この子ね」
「さくら猫だけれど飼い主いないっていうし」
「お姉ちゃんのお家で飼うのね」
「あんたのお家はハムスター飼ってるからね」
「ちょっと猫はね」
「そうでしょ、それにうちの家族皆猫好きだし」
 このこともあってというのだ。
「それならね」
「この子飼うのね」
「今日ここに来てくれたのも縁でしょうし」
「それで」
「一緒に暮らすわ」 
 こう言ってだった、二人は店仕舞いをして。
 薊が黒猫を抱き上げてそのうえで帰った、黒猫はその毛色からブラックと名付けられてそうしてだった。
 薊の家に入った、病院に診せると一歳位であり健康そのもので。
 薊の家で人懐っこく明るく暮らした、薊は茜が家に来た時に笑顔で話した。
「最近うちいいことばかり起こるの」
「ブラックが来てから」
「ええ、大阪じゃ黒猫って喜ばれるでしょ」
「商売繁盛だってね」
「黒猫は人を招くって言ってね」
 それでというのだ。
「お客さんを呼んでくれるから」
「そのせいかブラックが来てからね」
 黒猫である彼がというのだ。
「うちはね」
「いいことばかり起こってるのね」
「そうなの。バザーの時もそうでしょ」
 薊は笑顔で話した。 
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