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レーヴァティン

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第二百十五話 渡河その四

「それは事実ですね」
「広いだけでな」
「まことに」
「だから一戦で済むなら」
「それに越したことはありません」
「そうだな、それじゃあな」
「パリの北東で」
「あそこでな」
 まさにというのだ。
「戦うな」
「そうして決着をつけますね」
「そうするな」
 実際にというのだ。
「連中がそうしたいなら」
「応じますね」
「こっちにとっても好都合だ、けれどな」
 久志はさらに言った。
「王国の南部はそのままな」
「兵を進めさせて」
「王国を攻めていくな」
 それは行わせるというのだ。
「そして何があってもな」
「領土を奪っていく」
「そうするな」
 こう言うのだった。
「そっちは」
「そうしつつ決戦ですね」
「そうするな、決戦に勝っても負けても」 
 その結果に関わらずというのだ。
「王国は降す」
「その戦略は決まっているので」
「だからな」
 それ故にというのだ。
「王国南部を攻めていって」
「こちらの領土にする」
「あと決戦の時にも自分達が攻められてな」
「追い詰められていっている」
「そのことを知らしめるんだ」
「心理的にも攻めますね」
「前に主力がいて」
 帝国軍がというのだ。
「そしてな」
「後ろからですね」
「攻められるとなると」
「追い詰められる」
「そのうえで戦う様にするんだ」
 王国軍をというのだ。
「そうするな、あと決戦に負けてもな」
「私達がですね」
「ブリュッセルに拠点を置いてるからな」
「ここに下がってまた力を蓄えて」
「また攻めるな」
 そうするというのだ。
「勝ってもまだ帝国は下がらない」
「そのこともですね」
「連中に教えてやるさ」
「戦は心理戦でもある」
 淳二が言ってきた。
「そういうことだね」
「ああ、まさにな」
 久志もそうだと答えた。
「今度の戦もな」
「そうなるね」
「それでな」
 久志は淳二にも話していった、戦は敵の心も攻めるものでもあるということを噛み締めつつそうしていった。
「勝つな」
「言うね、城を攻めるよりもな」
「心を攻めろってな」
「そうな」
「三国志でも言ってたかな」
「馬謖だったか」
 泣いて馬謖を切るのこの人物だというのだ。 
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