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ドリトル先生と幸せになる犬

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第二幕その九

「どうしてあの外見なのか」
「闘牛用だからだよね」
「犬を噛みやすい様にあのお口になったんだね」
「あのお口の形に品種改良したのよね」
「そうだったね」
「そうだよ、あとブルドッグはよくね」 
 こうも言う先生でした。
「怖いイメージがあるね」
「昔の日本の漫画なんか特にだね」
「アニメにしても」
「噛む犬イコールブルドッグ」
「プードルがお金持ちの犬でね」
「そんな感じだったわね」
「けれど実はね」
 そうしたイメージがあってもというのです。
「ブルドッグは大人しい子が多いね」
「基本穏やかだよね」
「ブルドッグってね」
「あまり噛まないしね」
「怖くないよね」
「そうだよ、それぞれの性格があるけれど」
 それでもというのです。
「基本的にはね」
「大人しいよね」
「ブルドッグって」
「そうなんだよね」
「外見から怖いと思われるけれど」
 それでもというのです。
「実はなんだ」
「ブルドッグは大人しい」
「そのことは覚えておかないとね」
「生きものは外見じゃない」
「外見だけで判断したら駄目だね」
「そうだよ」 
 実際にというのです。
「ゴリラなんか特にそうだね」
「ゴリラはとても怖そうだけれど」
「狂暴で獰猛で」
「誰でも襲う様な」
「そんなイメージだけれど」
「ゴリラは完全な菜食主義でね」  
 それでというのです。
「どんな生きものも襲う必要がないんだ」
「小さな生きものも虫も」
「一切食べなくて」
「動物園でもセロリや果物ばかりで」
「完全な菜食主義だったね」
「そして暴れることもしないよ、胸を叩くのは」
 ゴリラの有名なこの行為もというのです。
「精一杯の威嚇でね」
「誰かを襲ったりしない」
「絶対にね」
「身体が大きくて力も強いけれど」
「それでも凄く大人しい」
「優しい生きものなのよね」
「頭もいいしね」
 ただ力が強いだけではないというのです。
「ゴリラもだよ」
「外見で判断したら駄目だね」
「それは絶対にだね」
「ブルドッグもそうで」
「ゴリラもよね」
「そうだよね」
「そう、だからね」 
 それでというのです。
「人も生きものもだよ」
「絶対にだね」
「外見で判断しない」
「そんなことしたら駄目よね」
「何があっても」
「逆にペットショップで可愛い犬や猫を見て」
 そうしてというのです。 
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