レーヴァティン
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第二百十四話 殲滅をしてその十
「そのうえでな」
「働いてもらうな」
「ああ、じゃあな」
「そうしたこともしていき」
「王国領に侵攻だ」
ライン川を渡ってというのだ。
「そうするな、まあ物資をな」
「くすねるか」
「そんな奴もいるかもな」
「それは罪ですので」
順一が言ってきた。
「それを行った者は」
「軍資金の横領にしてもな」
「罪に問うということで」
「付け届けはいいさ」
何かを貰うことはというのだ。
「礼儀でな」
「それはですね」
「ああ、ただ賄賂はな」
付け届けは貰ってもというのだ。
「それを受けて便宜を図るのはな」
「汚職になりますね」
「これは駄目だ、けれど有能でな」
「汚職以上の功績を挙げるなら」
「そうした奴はな」
「いいですね」
「付け届けもよくてな」
それでもというのだ。
「有能な奴でもな」
「いいですね」
「ああ、しかしな」
それでもというのだ。
「無能で腐った奴はな」
「排除しますね」
「それと極端に腐敗してるとな」
例え有能でもというのだ。
「屑だとな」
「やはり排除しますね」
「無能な働き者は向いている仕事なら有能な働き者になるさ」
久志は適材適所の話もした。
「けれどな」
「屑は屑でしかないですね」
「もうそれは能力以前でな」
それでもというのだ。
「国への実害が半端ない」
「だからそこまで腐った輩は」
「能力の問題じゃない」
「排除しますね」
「まあそこまで腐った奴はな」
屑、人間の屑と言っていいまでに腐敗した輩はというのだ。久志は順一に対してさらに話をしたのだった。
「大抵能力もな」
「ないですね」
「悪党でも有能だとな」
「堂々としていて」
「大物でな」
それでというのだ。
「弁えているものだ」
「悪でもすべきことすべきでないことが」
「けれどチンケな奴で」
所謂小物でというのだ。
「とことん悪い奴はな」
「手段を選ばないですね」
「私利私欲と保身のみに動いて」
久志は苦い顔で話した。
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