それから 本町絢と水島基は 結末
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第十二章
12-⑴
3月の末、私達の卒業式があった。モトシと慎二君は出席出来ないと言って居なかった。私達、女の子はみんな、着物袴で揃えた。私のも、知らない間に、藤沢のおばさんが手配していてくれた。
茜には、小野原さんが一緒に来ていて、みんなの写真を撮ってくれていたけど、茜が
「私達、5月に式をあげるの 京都だけど、みんな来てよね」
「えー 早いー」と葵が驚いていた。
「茜 私 行けないと思う ごめん 本当にゴメン」と、私は・・
「どうしてよ 親友が結婚するのにー 絢には、出て欲しいよー」
「私 もう 沖縄に行ったとこやし あんまり、我儘で休みたくないんやー ごめんなさい」
「しょうがないよね 今、絢は、複雑やもんね じゃぁ 落ち着いたら、会いにきてよね」
その夜、藤沢のおじさんが、「やましん」のステーキハウスで送別会をしてくれていた。
「こうやって、絢とご飯を食べられるのも、最後かな いろいろ 楽しませてもらったよ ありがとう」
「私 おじさんとおばさん、お姉ちやんが居てくれて、大学で成長できたし、とっても楽しかった。感謝しています。本当に、ありがとうございました」
そういうと、肉を焼いていた重友さんが
「お嬢さん どっかへ、行かれるんですか」
「そーなんだよ 聞いてくれるかー 可愛い娘を男に取られてしまうんだ 悲しいだろー」
「お父さん そんな言い方 相手も良い子だから、いいじゃない」
「そーなんだけどな 重友君 安心してくれ 澄香は何処へも行かんから 彼氏もおらんしな」
「お父さん 何を言い出すのー」
「何って 澄香が重友君のファンだってことは、知っちょるわい いつも、そんなにすましていると進まんぞ」
「社長 そんなにからかわないでくださいよ」と、重友さんは動揺していたみたい。
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