産まれたので考えること
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第一章
産まれたので考えること
ふわりの元飼い主の百田家に遂に二人目が産まれた、すると夫は会社で前異常にその話ばかりする様になった。
「もう可愛くて可愛くて」
「それでか」
「いつも育ててるんだな」
「そうしてるのね」
「やっぱり赤ちゃんっていいよな」
同僚達に満面の笑みで話した。
「目が離せないけれど」
「それがかえっていい」
「そうなんだな」
「赤ちゃんは」
「それで家に帰るとか」
「奥さんと一緒に付きっ切りだよ、元気でいい娘に育てないとな」
こう言うのだった、誰にでも。しかし。
その話を聞いて誰もが彼がいないところで話した。
「それで上の娘は?」
「もう一切話さないけれどどうなった?」
「完全に興味の外に行ったみたいだけれどな」
「その娘も自分達の娘だろ」
「しかもまだ一歳位だろ」
「そんな娘ほったらかしにしていいのか」
「一歳位の娘放置したら大変だろ」
この常識を言うのだった。
「前と同じだな」
「ふわりちゃんの時と」
「あの娘もああだったわね」
「飼いはじめてからはずっと夢中で」
「会社でもあの娘の話ばかりで」
「けれど自分達の娘が産まれたら」
その時からというのだ。
「もう無視して」
「それで捨てて写真もゴミ箱」
「もういらない」
「見たら上の娘の写真机にないし」
これまで飾っていたがというのだ。
「やっぱりゴミ箱に捨てていたし」
「それで二人目の娘の写真飾ってるし」
「上の娘はどうなったのかしら」
「絶対に育児放棄やってるな」
「そうよね」
こう話した、そしてだった。
彼等はさらに話した、今度の話は。
「様子見に行くか」
「上の娘がどうなったか」
「あいつ等の家に行って」
「それで上の娘の状況調べて」
「それであいつ等にもな」
「ええ、プレゼントしてあげましょう」
ここで誰もが意地の悪い笑みになった、誰もが善意ではなく悪意に満ちたそうした笑みになってそのうえで話した。
「是非」
「ああ、プレゼントな」
「二人目が産まれたし」
「あいつ等にあげるか」
「あいつ等に相応しいプレゼントをな」
「一体どんなプレゼントがいいか」
「考えるか」
「今から」
こう話してそしてだった。
彼等は百田家に行ってだった、そして。
上の娘の状況を確かめてかつ夫婦に彼等に相応しいプレゼントを贈ることにした、それであれこれ話して。
プレゼントを買ってそこから彼等でアレンジして言った。
「これでいいな」
「ああ、そうだな」
「あいつ等に相応しいプレゼントだ」
「これ以上のものはないわ」
「じゃあな」
「贈ってやろう」
こう言ってそしてだった。
彼等は百田家の夫に贈りものをすることにした、そしてだった。
同僚の一人がふわりの今の飼い主である国崎家の家族の一人である洋介が勤めているラーメン屋でゆで卵と若布が入ったラーメンを食べつつ言った。
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