東方闇剣士
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はじめに、闇の剣士目覚める。
前書き
私は白ウォズ。この歴史によれば、上條大地と呼ばれる元炎の剣士『仮面ライダーセイバー』にして闇の剣士『仮面ライダーカリバー』として戦っていた。彼は現在の仮面ライダーセイバー、神山飛羽真との激戦を強いられるも、敗走。飛羽真にソードオブロゴスに潜む真の敵の正体を暴くことを頼んだ直後、侵入していたデザストにより致命傷を負ってしまう。
そして自身の闇黒剣月闇を飛羽真に託した後、息を引き取った上條。しかし、そんな彼は今未知の世界に………おっと、ここから先はあなた方読者に見届けさせてもらいましょう。
???「あの、お客様?1人で何を言ってるんですか?」
お気になさらず。ああ、それと店前で人が倒れていたら介抱してあげるといい。それが君の1ページ目の行動になるだろう……。
???「あっ、ちょっと、お客様!?その本返して…あれ?いない……って、人が!?大丈夫ですか…って、ひどいケガ!何とかしないと……!」
さあ、闇の剣士、本居小鈴君。君たちの物語は今始まった。どのような物語になるか、見届けさせてもらうよ。
あの日、私は殺された………。
デザスト「返してもらうぞ。これで俺は完全に自由だ」
飛羽真「上條さん!」
上條「…闇黒剣月闇をお前に託す……きっと、お前の役に立つ………………」
飛羽真「………賢人も上條さんも……同じものを探してたんですね………」
こうして私は死んだ。背後から襲ってきたデザストに気づくことができず……いや、これも裏切りの代償なのだろう。
しかし、かつて私が助けた青年、神山飛羽真に託すことができた。ソードオブロゴスに『真の敵』がいること、私と富加宮が使っていた闇黒剣月闇の2つを……。
もう何も心配することはない。後のことはあいつに任せよう………。
そう思っていたんだが………。
上條(………ここは……どこだ?)
目を開ければ地獄のような光景ではなく、木材でできているであろう天井があった。しかも体が痛い………いや、痛い?
私は死んだのではないのか?仮にそうであるならば、痛みはないはずだ。なのに、なぜ生きている?いや、そもそもこれは夢ではないのか?それはないか……夢であるならば痛みはないはずだ。ただ痛みがある。そう思い込んでいるだけかもしれないが、それにしては………。
―――――?
だんだん視界が鮮明になってきたが、誰だこの少女は?耳も少しずつ聞こえるようになってきたが……。
―――――か?
上條(すまない、何と言っているかわからない)
―――――の―――――かな?でもあんなに―――――なるなんて、どこの妖怪かな?
途切れ途切れだが、今『妖怪』という言葉が出た。
妖怪?メギドみたいなものだろうか?少し起き上がるか……。
???「あ、あんまり動かないでください!まだケガが治ってないんですよ!?」
今度はちゃんと聞こえるようになったが、体が重い……起き上がるだけで全身に痛みが走る……。
???「びっくりしましたよ。店前であなたが倒れていたかと思えば全身ひどいケガをしていた上に、胸からたくさんの血が流れていたんですよ?幸い、永遠亭のお薬のおかげでその傷も治ったんですが………」
上條「永遠亭?何だそれは?」
見たことも聞いたこともないが、その薬のおかげでデザストから受けた傷を治したというわけか…それより、ここはどこなのか聞かなくては……。
上條「それより、ここはどこだ?私は死んだはずではないのか?」
???「え!?あなた死んだんですか!?……いや、それは後でいっか。ここは『鈴奈庵』という貸本屋です。その格好から見るに、外の世界から来たんですか?」
上條「外の世界?ワンダーワールドのようなものか?」
???「ワンダーワールドって何ですか?」
上條「……いや、何でもない。だがお前が言うように、外の世界とやらというのは正しいかもしれ………ん?」
私は壁に立て掛けてあるものを見て、目を疑った。
あれは闇黒剣月闇!?なぜだ!?神山飛羽真に託したはずの剣がなぜあそこに!?
???「あの、どうしました?」
上條「闇黒剣月闇がなぜここに!?なぜお前があの剣を持っている!?」
???「え!?あれあなたの剣なんですか!?何だろうと思って飾ってたので、てっきり……」
確かに私は死ぬ前、神山飛羽真に託した。まさかわざわざ私の元へ来たのか?いや、あり得ん……剣が意志を持ってるとは思えない。
わからん………なぜ死んだはずの私がここにいるのか、神山飛羽真に託した剣がなぜ鈴奈庵にあるのか………。
上條「………考えても仕方ないか………だが、これからどうするか………」
???「行く当てがないんでしたら、ここに住みませんか?」
上條「いいのか?」
???「もちろんです」
上條「なら、お言葉に甘えさせてもらう。私は上條大地、かつて炎の剣士『セイバー』として戦い、組織を裏切ってからは闇の剣士『カリバー』として戦っていた者だ」
???「セイバー?カリバー?それってさっき白い服を着た人が言ってた…」
上條「?」
???「あ、何でもありません。私はここ、鈴奈庵の店番をしている本居小鈴といいます」
上條「本居小鈴か。よろしく頼むぞ」
こうして私は鈴奈庵に住むことも兼ね、浮かび上がる謎を解明することになった。
その後、私の『ワンダーライドブック』も店内で見つかったのは言うまでもない。
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