イベリス
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第十四話 反面教師その五
「派手なものでなくて色も白ですが」
「気を使ってるのね」
「従姉に色々アドバイスを受けて」
愛のことも話した。
「そうしてです」
「今みたいにしてるのね」
「そうしてます、あとです」
「あと?」
「何かどうでもいい時のファッションもです」
これもというのだ。
「教えてもらいました」
「その従姉の人に」
「そうしてもらいました」
「それどんな格好なの?」
「ノーメイクで髪の毛はぼさぼさで」
まずは首から上のことを話した。
「上下ジャージで靴はシューズかサンダル」
「ああ、それならね」
先輩も咲の言うファッションに頷いた。
「もう誰も声をかけないわね」
「それでお腹には腹巻、首筋から見えるババシャツ」
「それもなのね」
「しかもガニ股で歩くと」
「もう誰もなのね」
「声をかけないからいいって」
「確かにね」
先輩も咲の今の話には頷いた。
「そうした格好だとね」
「誰からもですね」
「ナンパもされないわ」
「起き抜けみたいですね」
「色気の欠片もないから」
それこそというのだ。
「誰からもね」
「声かけられないですね」
「やっぱり色気とか可愛さってね」
「注目されますね」
「もう皆そうしたのを見てね」
先輩は自分そして咲のファッションを観つつ話した、二人共制服とはいえギャル系であるが咲の方がナチュラルである。
「声かけたり好きになるから」
「見た目のことで」
「そうしたね」
「色気も可愛さもですね」
「ない言うならサボテンみたいだと」
それならというのだ。
「もうね」
「誰も声かけないから悪い人も」
「そうね、暴漢除けにはいいわね」
「従姉にそう言われました」
咲にというのだ。
「夜一人でコンビニに行く時とか」
「今度私もその恰好でいってみるわ」
「いいですね」
「コンビニにいい人いたら出来ないけれど」
先輩は笑ってこうも言った。
「けれどね」
「それでもですね」
「冬だとそこにどてらね」
「あっ、余計に色気ないですね」
咲も笑って応えた。
「それもとなると」
「そうね」
「それじゃあ私も冬は」
「どてらね」
「丁度家にありますし」
それで冬は実際に家の中で着ているのだ。
「それを着て」
「外出するのね」
「そうした時は」
「そうしたらね」
「変な人にも目をつけられないですね」
「薄着でね」
それでというのだ。
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