レーヴァティン
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第二百十二話 急襲その九
「本当にな」
「左様ですね」
「ではこれよりです」
「攻撃に入ります」
「降下、爆撃開始だ」
こう言ってだった、久志は。
艦隊を降下させ低空からの爆撃に入った、ここで敵軍は空船達の爆音に驚いて跳び起きたがもう遅かった。
帝国軍の艦隊は油を撒きそこに炸裂弾を放った、それでだった。
破壊された連合軍の空船達は爆弾の衝撃と破片に壊され。
炎が油でより燃え瞬く間に燃えていった、しかも近くにあった弾丸や火薬に引火してだった。
次々に爆発が起こり場は紅蓮の炎に包まれ燎原の如く燃え上がった。空船達は焼けていきそこにいた将兵達も物資もだった。
絶叫しつつ燃えていった、久志はそれを見て言った。
「作戦成功だな」
「左様ですね」
「これは」
「ああ、じゃあな」
久志はさらに言った。
「これで戻るな」
「そうしますね」
「作戦は成功したので」
「それで」
「ああ」
まさにというのだ。
「撤収するな」
「わかりました」
「ではですね」
「ここからは全速で、ですね」
「戻りますね」
「そうするな」
久志は実際に撤収を命じた、それも全速で。
それで敵陣から去りつつ言った。
「よし、これでな」
「敵の空船達はなくなりました」
「そして機先を制することが出来た」
「左様ですね」
「かなり有利に立ったな」
帝国軍がというのだ。
「間違いなく」
「左様ですね」
「少なくとも敵の空船は全て使用不能にしました」
「これだけでも大きいです」
「空を完全に制することが出来ましたので」
「この浮島はペガサスやドラゴンもいなくてな」
このことは東の浮島でも同じである。
「ペガサスナイトやドラゴンナイトもいない」
「他の浮島や下の世界にはいましたが」
「今は二つの浮島以外は海の中です」
「石に変えられたうえで」
「そうなっているので」
「そうなっているからな」
それでというのだ。
「ないな」
「はい、そうです」
「空船は存在していますが」
「それでも」
「だからな」
それ故にというのだ。
「敵の空船を潰せば」
「もうこれで、ですね」
「制空権は握りましたね」
「そうなりましたね」
「ああ」
間違いなくとだ、久志は同じ空船に乗る将兵達に答えた。その顔は会心の笑顔であり感情が全てそこに出ていた。
「間違いなくな」
「では決戦では」
「空からも攻めますね」
「そうしますね」
「ああ、そしてな」
久志はさらに言った。
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