人に懐く栗鼠
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第二章
「そうするよ」
「それじゃあね」
「うん、名前は変えるよ」
こうしたこともあった、そして。
一家はやんちゃな彼と仲良く暮らしていた、だが気付くと。
「野生に戻す?そろそろ」
「いや、大きくなり過ぎた」
気付けばだった、ロッキーあらため悪栗鼠は事実大きくなり過ぎていた。それで夫は妻にこう言ったのだ。
「だからもう」
「一緒に暮らすのね」
「こうなったらそうしよう」
「それじゃあね」
こうして悪栗鼠は家で皆と共に一緒に暮らすことになった、やんちゃだが二人にも犬や猫達からも愛されて。
そんな一家のところにバーモント州の野生生物保護リハビリテーション施設からエイミー=ブラウンという人が来た、黒髪に黒い目で優しい顔立ちの大柄な太った女性だ。
その彼女がケースから一匹のハイイロリスを出して話した。
「雌でクローディアといいます」
「?その娘は」
「チチッ」
「まさか」
夫婦はその栗鼠を見てその仕草ですぐに気付いた。
「目が見えないんですか」
「そうなんですね」
「はい、病気で」
そのせいでとだ、エイミーも話した。
「目がです」
「そうですか」
「気の毒なことですね」
「ですがこうしてです、センターで保護して」
そしてというのだ。
「育てています、今回お邪魔したことは」
「栗鼠の飼育についてですね」
「お二人がどうされているかお聞きしたくて」
それでというのだ。
「お邪魔しました」
「そうですね」
夫が応えた。
「最初に連絡してくれた時にお話してくれた通りに」
「野生の栗鼠の飼育は難しいです」
「それでもですか」
「どうされているかお聞きしたいです」
「そしてその話をですね」
「今後の飼育の参考にしたいのですが」
「そうですか、それじゃあ」
夫は素直に応えてだった。
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