水辺の子猫達
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第一章
水辺の子猫達
アイルランドから旅行でルーマニアに来て海に近いある湖で釣りをしているジェイソン=マッカーニーは灰色の髪の毛と青い目を持っている初老の男だ。彼は妻のメアリー恰幅のいい黒い目でブロンドの目の彼女と釣りを楽しんでいた。
「ルーマニアはドラキュラ公じゃないな」
「ええ、釣りもできるのね」
夫婦で釣りをしながら話した。
「黒海に面していてリゾート地もあるし」
「そっちも楽しめるんだな」
「そして釣りもね」
今自分達がしているそれもというのだ。
「出来るな」
「そうね」
こうした話をしているとだった。
「ニャンニャン!」
「!?」
急にグレーの毛で青い目の子猫が飛び出てきてだった。
ジェイソンのバッグに飛びついてきた、ジェイソンはそれを見て妻に言った。
「野良猫か」
「そうみたいね」
「急に出て来たな」
「そうね、母親が近くにいるのかしら」
「ちょっと探すか」
「そうして返すべきね」
母親のところにとだ、こう話してだった。
夫婦で周りを探したが子猫そっくりのもう一匹の子猫がいたが母猫はいなかった、そして二匹共だった。
「ニャ~~~」
「ウニャ~~~」
二匹は夫婦に擦り寄ってきてバッグにしがみついていた、妻はそれを見てそのうえで夫に対して言った。
「どうもね」
「ああ、この子達はな」
夫も応えた。
「身寄りがなくてな」
「私達に助けて欲しいのね」
「だったらな」
「ダブリンまでね」
「連れて帰るか」
「そうしましょう」
こう夫に言った。
「こうなったら」
「手続きはかかるけれどな」
「けれどルーマニアも同じEUよ」
「そうだな、じゃあな」
「手続きもその分楽だし」
「連れて帰ろうか」
こう話してだった、二人は子猫達の性別を確認して二匹共雄だったのでそれぞれフィンとクーと名付けてだった。
そうしてアイルランドに連れて帰ることにして手続きもした、そのうえで二匹を連れてそうしてだった。
今度は黒海で釣りをしているとだった。
「ニャ~~ン」
「ここにも猫がいるな」
「そうね」
見れば黒が殆どで顔の真ん中が縦の傷の様に茶色になっていて足首が白い。その子猫が二人のところに来た。
そして夫婦が魚をあげると食べはじめたがそこに長身で金髪を長く伸ばし黒い目で整った顔立ちに見事なスタイルの釣りの服の女性が来て子猫の頭を撫でて言った。
「オーロラが何かしませんでした?」
「いや、何も」
「何もしてないわよ」
二人は女性にすぐに答えた。
「随分人懐っこくてね」
「うちの子達とも仲よくなってるし」
「ニャン」
「ニャンニャン」
「ニャ~~~ン」
見ればフィンともクーともそうなっている。
「ご飯あげただけでね」
「お魚をそうしただけだよ」
「それだったらいいです、実はこの猫雌で」
それでというのだ。
「この岩場で出会ったんです」
「ここでなんだ」
「そうなんだ」
「はい、鳴き声がしたと思ったら」
そうしたらというのだ。
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