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異生神妖魔学園

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THE END OF DANGEROUS FLIGHT GAME

鬼が追加されたことが知らされた綾野は別の鬼が近づいてきていることを感じ取る。
横を向くと、『ダークマター』、『麻婆豆腐』と書かれた2人の鬼が迫ってきていた。


綾野「麻婆豆腐はいいとして、ダークマターですか……明らかに遠呂智がいつも家庭科で作るあの料理をぶつけるつもりでいますね。いくら高性能な私でも、あれを食らえば確実に拒絶反応を起こすでしょう」


やられる前にやろうと判断し、ダークマターと麻婆豆腐の背後に回り込む綾野。前腕で首を絞めて動きを止めると、校舎の屋上めがけて放り投げた。
屋上に放り投げたということは校舎に入れたことと同じ。このおかげでさらに被害者が増えてしまうことは綾野自身にもわかっている。だが自身も身を守るため仕方のないことだった。
しばらくして鬼たちは復活したが、『あの女一体何なんだ!?』と言わんばかりに抱きしめ合って震えていた。










屋上に放り投げられた遠呂智のダークマターと麻婆豆腐は綾野が去るところと鬼たちが復活するところを見て、とんでもない奴を相手にしてしまったと震えながら見下ろしていた。
背後から扉が開く音が鳴り、振り向くとそこには龍華がいた。あの女より龍神族の女を狙った方がまだマシだと思い、共に襲いかかった。


龍華「屋上ォォォォ!!しかもダークマターってまさかマスターのか!?こいつらさっきまでいなかったのにどうやってここに来たんだァァァァ!!」


しかも麻婆豆腐までいるので嫌な予感しかしない。もちろん鬼たちには理由があるが、口がないためしゃべることができない。
その腹いせとして綾野が言っていたあの『遠呂智のダークマター料理』と激辛麻婆豆腐が盛られた皿を混乱する龍華の顔にサンドイッチの具材のように挟むようにぶつけた。



ベチャチャッ



龍華「☆♂○℃〆∞♯※*¥@⊥*∬£Ω∂×√±ω∃¢!!!」


遠呂智のダークマターを食らうなんて夢にも思っていなかった龍華。口の中で壮絶な辛さと苦さが混ざり合い、声にならない悲鳴をあげた後意識を失ってしまった。
特に麻婆豆腐は何を思ったのか、倒れた龍華のスカートをめくると、彼女のパンツめがけて激辛麻婆豆腐をぶつけた。一瞬龍華の体が震えたように見えたが、気にしない方向へ。


紺子「今のは龍華!?誰にやられたんだ!?」

牙狼「ダメだよ紺子!気にして様子見に行くのは自ら鬼に捕まりに行くようなものだよ!だってほら、上から足音が!」

紺子「足音!?」


足音は上の階から微かに聞こえる。耳をすませると、その足音はだんだん大きくなってくる。下りてきたのはダークマターと麻婆豆腐。先ほど龍華を襲った鬼たちだ。


紺子「………マジかよ」

牙狼「ね、言った通りでしょ?だからここは僕に任せて、紺子は僕の後ろにいて」


牙狼は紺子に笑顔を見せるが、その笑顔はまるで般若のようだった。不慣れの者なら怯えて逃げ出すだろうが、紺子は怯えも叫びもせず、わかったよとニッコリと笑顔を返した。
改めて牙狼はダークマターと麻婆豆腐に目を向けると、鼻にシワを寄せ、牙をむき出しにして睨みつける。そのまま投げつければ避けられてもおかしくない。ならば一緒に少しずつ近づくか?いや、むしろ逆に牙狼がジリジリと近づいてきて壁まで追いやっているではないか。


牙狼「よくも学園のみんなをあんな目に遭わせてくれたね?借りはきっちり返させてもらうぞ……お前たちは度を越えるようなこともしたんだ、土下座して許されると思うなよ!!」


怒気と殺意を含めたダミ声にさらにドスを効かせながら怒鳴ると、ダークマターと麻婆豆腐は皿に盛られた料理を落とし、抱きつきながら震えた。落ちた料理が牙狼に踏まれ、その上靴はグチャグチャと音を立てる。
万事休すだった。今のダークマターと麻婆豆腐はまるでこれから処刑される囚人のようだった。


牙狼「死ネエエエエエエエエエエエエエエエエエイ!!!!」


そんなことはお構いなしに、牙狼は抵抗できない鬼たちに襲いかかった。
まず目らしき部分を両手の人差し指と中指で潰し、視界が失われたところを手首、前腕、上腕の順に引き裂く。さらにダークマターと麻婆豆腐の腹の中に手を突っ込むと、生暖かい内臓をつかみ、そのまま引きずり出した。


牙狼「どうだ!!!鬼がこんな無残な死に方をするなんて予想もつかなかっただろう!!!死んでも永遠に消えないトラウマをお前たちの身に刻み、その恐怖を共に怯え苦しみ続けろ!!!!!!」


両手が黒く染まり、黒い血飛沫が牙狼の顔と服に付着し、引きずり出された腸と黒い血液が床及び牙狼と紺子の足元に広がる。


紺子(え、えっぐ…!でも私を守ろうと……みんなをひどい目に遭わせた鬼に……ここまで奮起してくれるなんて…………どうしよう、なんか胸がスゲードキドキしやがる…………!)


紺子の心臓の鼓動が早くなる中、ダークマターと麻婆豆腐の体は1分も経たないうちにわずかな肉片となった。黒い血溜まりの中、牙狼は静かにそこに立ち尽くしていた。


牙狼「………またしばらくすれば復活する。紺子もこいつらが復活するまでずっと僕のそばにいた方がいいよ」

紺子「は!?復活するまで!?お前捕まりたいのか!?しかも私を巻き添えにしてまで!」

牙狼「30秒もすれば復活するんだ、間違いなく僕たちを襲わないさ。僕は傑作だと思うんだけど、もし目の前に僕がいたらどうなると思う?」

紺子「…尻尾巻いて逃げるんじゃね?」

牙狼「うん。それに紺子にも手を出せない。だからその様子を一緒に見ようよ。それに僕には血がついている。狼男にもなってるし、他の鬼もきっと腰抜かすかもしれないね」


話しているうちに30秒経ち、ダークマターと麻婆豆腐は復活。牙狼の言う通り、2人の鬼は復活するなり狼男の姿の牙狼に腰を抜かして尻餅をついた。
ついでにいたずらとして牙をむき出しながら唸り声をあげると、ダークマターと麻婆豆腐はさらに怖がり、もはや立つことすら不可能になってしまった。それをよそに牙狼と紺子はその鬼の前から去った。










校内放送『デンジャラス・逃走中、開始1時間10分経過。鬼、増量します』


黒いステージからまた新たに『カミナリオヤジ』、『マッサージ』、『三角木馬』、『ロシアンたこ焼き』の4人が現れた。
運悪くグラウンドにいたのが一海。鬼たちは一海を見るなりすぐに彼女に狙いをつけた。


一海「ホントにもう逃げ場がないんだけど!!グラウンドには学園長の墓もあるし何がどうなってんの!?」


校内へ逃げ込む一海。続けて校内へ入る鬼たち。ところが、マッサージとロシアンたこ焼きだけ進路を変えると、別の方向へ走り出した。
マッサージの方は別の場所で待ち伏せしようと企み、ロシアンたこ焼きの方はどうやら別の獲物を見つけたようだ。近くに遠呂智がいた。


遠呂智「カズミンでいいじゃねーか!!何でお前だけ違う奴狙うんだコノヤロー!!」


逃げている先にもう1人の鬼がいた。その鬼には肘打ちと書かれている。挟み撃ちに遭ってしまった。










屋上へ逃げ込んだ一海だが、顔面とパンツにダークマター料理と激辛麻婆豆腐をぶつけられて気絶した龍華を横に、とうとう追い詰められた。
龍華を起こす時間を稼ぐため近づいてくる鬼たちを蹴って遠ざけるが、その程度のダメージでは鬼は死なない。ただ蹴り飛ばされて壁に叩きつけられるだけなのでしつこく迫る。


一海「龍華…起きてよ……!寝てる場合じゃないでしょ……!鬼が来てるんだよ………!?ねえ龍華…!龍華…………!!」


すっかり疲弊した一海。倒れた龍華を起こそうと揺すったり叩いたりしたが、何をしても目を覚ますことはなく、鬼もどんどん近づいてくる。
やがて一海は覚悟を決めた。こうなれば最後の手段。それでもダメなら諦めるしかない。


一海「………………開け、『異世界の門』よ!!」


昨夜辰蛇の前に現れた時同様、カミナリオヤジと三角木馬の前に謎の空間が現れた。
そこから生えてきたのは足。サッカーボールのように鬼たちの股間を思い切り蹴り飛ばした。だがそれだけではない。足が鬼の股間をとらえた瞬間、宙に投げ出されたのである。
悶絶する中、カミナリオヤジと三角木馬は『もう何がどうなってるんだ!?俺たち、とんでもない奴ばっかり相手にしてないか!?』と叫びたい気分だった。鬼たちはそのままグラウンドへ飛んでいった。
あとは閉じるだけだったが、閉じる前1枚の葉らしきものがふわりとスラブの上へ落ちた。


一海(ん?葉っぱ?こんなの出した覚えないんだけど………)


そう疑問を抱えつつも、あまり気にせず龍華を抱えると、屋上を後にした。
ところが一海が出ていった直後、風が吹き出した。葉は風に乗ってグラウンドまで飛んでいき、その真ん中に置かれている辰蛇の墓石の上に乗ったその瞬間だった。



ピカアアアアアアアアッ



周りに広がっている辰蛇の血を浴びて真っ赤になったかと思うと、突然まばゆい光に包まれた。直視すれば失明も免れないような眩しさである。
やがて光は収まり、墓石が建っていた場所には燐斗によって墓石にされた辰蛇が何事もなかったかのように立っていた。


辰蛇「プハァー!いやー、びっくりした!冷火ちゃんの胸触りたかっただけなのに、あの子のお母さんあんなにキレるなんて……」

アルケー「当然でしょう?あの子、あんなに嫌がってたのにしつこく追いかけたのが悪いんですよ」

辰蛇「へ?」



ドォンッ!!!!



辰蛇の前にいつの間にか背を向けて前屈みになったアルケーが立っており、そのまま爆発するような屁を食らったのだった。
屁を食らった辰蛇はそのまま吹き飛ばされ、校舎の壁に叩きつけられ気絶した。










ココ「いやああああああああ!!!ゴムパッチンも尻叩き1000発も嫌ァァァァァァァァ!!!」


同じ頃、ココはゴムパッチンに追いかけられていた。途中ロシアンたこ焼きにたこ焼きを食べさせられた遠呂智とすれ違ったが、彼はゴムパッチンが迫ってきていることを知らなかった。
ゴムパッチンはココに目をつけて追いかけていたが、視界に入った遠呂智にも目をつけ、誰を捕まえようか追いかける足を速める。


遠呂智「おいおいおいおいおいおい、俺食らったぞ!さっき食らったからな!さっき食らったよー!!俺食らったって、さっき!!ゴムパッチン食らったよー!!」


走りながら必死に訴えるが、ゴムパッチンにとってはお構いなし。なおさら遠呂智を捕まえたくなった。


遠呂智「もうやめてくれよぉ……!」


結局遠呂智が捕まってしまった。難を逃れたココにとっては幸運だった。


ココ「た、助かったですぅ………でもあの先輩、またゴムパッチンされるなんて………」


遠くから遠呂智がゴムを咥えさせられる様子を見て安堵していたが、改めて恐怖を抱えるココ。一方で再びゴムが顔面に直撃される恐怖に遠呂智は断固として拒否していた。


遠呂智「グウゥゥゥゥゥ!グオォォォォォ!」



バチーン



遠呂智「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!」


2度目のゴムパッチンを食らった遠呂智の悲鳴が校内に響き渡った。
同時に彩も美術室に隠れていたマッサージに捕まったが、遠呂智の悲鳴を聞いてどんな鬼に捕まったかなど何ら疑問に思うことはなかった。


彩「マッサージって何するの?」


いつも感情を表に出さず、常に無表情の彩に『この子表情筋壊死してるのでは?』と少しためらったが、それでも自分の気をよくするためにうつ伏せに寝かせた。
それから骨抜きになるほど気持ちよくさせるために肩と背中をほぐしたり、彼女の尻尾を揉んだりする。


彩「ふにゃ……尻尾……ダメ…………」


文字通り、彩は肩と背中のほぐしと尻尾を揉まれたことで骨抜きになるほど気持ちよくなってしまった。だがその時である。



キラッ



マッサージの目元が光ったかと思うと、片方の手が彩の尻尾のつけ根をつかんで引っ張り、もう片方の手はマッサージが背中のツボを見つけると同時にそこを親指で強く押した。


彩「ふ、ふにゃあぁぁぁぁ………痛い…痛いぃぃぃぃ………!」


まだまだやるぞと言わんばかりに引っ張る力と押す力をさらに強める。
だが彩には痛いと感じることはできるものの、いくら尻尾を引っ張られてもツボを押されても顔をしかめることは一切なかった。『やっぱりこいつ表情筋壊死してんじゃね!?』と始終内心困惑するマッサージであった。










デンジャラス・逃走中が始まり、もうすぐ1時間半が経とうとしていた。


校内放送『デンジャラス・逃走中、開始1時間20分経過。鬼、増量します』


体力のある牙狼にも当然限界がある。紺子にも疲労が見え、共に鬼に捕まってしまった。その鬼は『笑』。笑は相手を捕まえては5分間くすぐっていたが、デンジャラス・逃走中がもうすぐ終わるので、終わる時間までくすぐろうと思っていた。牙狼は脇腹と足の裏をくすぐられ、紺子は全身をくすぐられた。笑うのが嫌になるほどくすぐられた。
一方で一海もようやく目を覚ました龍華と隠れ場所を探していたが、もうほとんどなかった。それもそのはず、ステージや予期せぬ様々な場所から鬼が放たれているのだ。


龍華「カズミン!」

一海「龍華!」


そして今、食堂で2人の鬼から逃げている一海は転んで片方に捕まってしまい、思わず足を止めた龍華ももう片方に捕まってしまった。一海を捕まえた鬼には『パイ投げ』と書かれ、龍華を捕まえた鬼には『あまみ(四男)』と書かれていた。
椅子に座らされ、抵抗できないように両手足を縛られた一海と龍華。まずはパイ投げから。


一海「え、ちょっと!それパイじゃないよね!?どこからどう見てもケーキだよね!?ねえ、ちょっと聞いてる!?」


ケーキを持ったパイ投げは一海の抗議も聞かず、そのまま近づく。


一海「ねえ、話…あーっ!!」



ベチャッ



なす術もなく顔面にケーキをぶつけられた。


龍華「カズミン!くそっ…こいつは俺に何食わせるんだ!?」


あまみ(四男)が取り出したのはラスグッラと書かれた缶だった。


一海「それはラスグッラ!テレビで見たことあるけど、あれはインドのお菓子!世界一甘いらしいよ!」

龍華「俺もテレビで見たことあるぞ、それ!そのテレビで見たお菓子をそのまま食わされるのかよ俺!本気でケーキぶつけられたお前と代わりたい気分だよ、チクショーめ!」


今の一海はケーキをぶつけられただけ幸運だった。両手足に縛られたロープを引きちぎろうと抵抗を試みるが、いくらもがいてもロープはびくともしない。


龍華「こんな時に紺子はどこ行っちゃったんだよ…!」


あまみ(四男)は缶のふたを開け、ラスグッラをスプーンに乗せると、抵抗できない龍華の口へ運び始める。
当然龍華は首を横に振って拒否するが、関係なし。口を無理矢理こじ開けられ、そのままラスグッラを入れられた。


龍華「うあっ!!何だこれ!!まるで全種類の砂糖を一気に食った感じじゃねぇか!!」

【缶が空っぽになるまで食べてもらいます】

龍華「もういい、もういい、もういい!!1個食っただけでスゲェ胸焼けしてきたから………!!」


問答無用だった。次々とラスグッラを口に入れられ、胃袋の中にあるスタミナ丼も吐きそうになるほどの甘さに涙を浮かべた。










時は刻一刻と過ぎ、終了まで約3分前となった。
ちなみにジムカーナに捕まった生徒は数少なかったが、実はその犠牲となったのは生徒だけではなかった。


宇佐間「ウギャアアアアアァァアアァアァアアアァァァアアアアアアァァアアァァァ!!!!!ユウジ君、止めて止めて止めて止めてェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!!」

大狼「はわわわわぁ~っ!!ユウジ先生!もっとスピード出せますか!?」

宇佐間「リンちゃああああぁぁぁぁぁぁん!!!!?ちょっと、ちょっとユウジ君!!!!!それ以上スピード出したらさすがの俺も死ぬゥゥゥゥウウウゥゥゥウゥゥウウウウウウゥゥゥゥゥウゥウウウゥゥウ!!!!!」

みのり「わ、我が生涯に………一片の悔いなし………」チーン


生徒たちが逃げている一方、街中にて。なぜか宇佐間、大狼、みのりの3人の教師がユウジ11の車に乗せられ、ジムカーナの刑に処されていた。
乗せられたのは終了約8分前。宇佐間は始終絶叫し、大狼はテンションが高く、みのりは意識が飛んでしまったらしい。
それをよそにユウジ11がデジタル時計を見ると、もうすぐデンジャラス・逃走中が終わる時間に近づいてきていた。


ユウジ11「宇佐間、西田、生きてるかー?」

宇佐間「い……生きてま~す…………」

みのり「……………」チーン

大狼「こんなにエキサイティングな体験したの、すっごく久しぶりです!もっかいやってほしいです!」

ユウジ11「時間ねーんだけどな、もう。もうすぐ鬼ごっこ終わるんだけどな」


ユウジ11はアクセルをふかすと、そのまま学園へ戻った。すっかりやつれた宇佐間と意識を喪失したみのりに心配したのか、その配慮としてもうジムカーナは行わなかった。


大狼「ユウジ先生、もうジムカーナやらないんですか?」

ユウジ11「宇佐間と西田を見てみろ。げっそりしてる奴と瀕死の奴を乗せてやるわけにはいかねぇだろうが」


到着した頃には、ちょうどデンジャラス・逃走中が幕を閉じていたのだった。
グラウンドには全生徒たちが集まり、朝礼台のアルケーが話をしている。


アルケー「皆さん、大変お疲れ様でした。本日のレクリエーション、いかがだったでしょうか?」

冷火(『いかがだったでしょうか?』じゃねぇよ!あの学園長のせいで身体中がイテェよ!)


心の中で文句を言う冷火のみならず、ほぼ全員生気がない状態に近かった。長時間逃げ続けなければならなかったので無理もない。
アルケーの話は続き、しばらくして彼女から生徒たちにとって嬉しい知らせが届く。


アルケー「そこで皆さんにお詫びの印です。今日のレクリエーションでかなりの疲労が溜まっていると思うので……その疲労を癒してもらうため明日から5日間の休暇を与えようと思います」

生徒一同『!!?』


全員言葉を失った。沈黙がしばらく続いたが、やがて生徒たちの歓喜の声が次々とあがっていく。
そして紺子も同じだった。


紺子「よかったぁ……今日はマジで地獄だったぁ……今夜はぐっすり眠れる………」

ヴォイエヴォーテ「2年の者は全員集まってくれ。私から連絡がある」


そのまま帰ろうとしていた2年だったが、ヴォイエヴォーテがそんな彼らに声をかけた。


乱「連絡?その前に龍華いないんですけど」

ヴォイエヴォーテ「ああ、雨野ならラスグッラをたらふく食べさせられたせいで保健室で寝込んでる。彼女にもしっかり伝えるつもりだ」

ディーゴ「ラスグッラ?」

仁美「インドのお菓子だよ~。私もそれ食べたかったな~」

ヴォイエヴォーテ「ほら、こっちを向け。で、休み明けの件だが…………」










一方、アルケーの屁を食らって壁に叩きつけられた辰蛇だが、ヴォイエヴォーテが話をしている最中目を覚ました。


辰蛇「どうせならオナラよりパンツとおへそクンカクンカしたかった………アルケー校長のオナラすっごい臭かった………」 
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