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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百五話 ガルフォード、駆けるのことその二

「都での足止めはできそうにもありませんが」
「警戒されているな」
「彼等も愚かではありません」
 司馬尉の不穏さにだ。彼等も気付いているというのだ。
「あの方が幾ら司空だといっても」
「司徒だった気もするがな」
「ですが三公です」
 役職はともかくその要職にあるのは間違いないことだ。
「ですから」
「権限はあるのだがな」
「そうです。しかし今は」
「迂闊に動けないな」
「全ての方々から警戒されていますので」
 まさにだ。全員からなのだ。これが司馬尉の今の難点だった。
「それは期待しない方がいいです」
「では足止めだけでいいか」
「はい、その通りです」
「それに足止めだけで充分だな」
 左慈はこう判断した。
「それではな」
「はい、お二人に連絡して」
「やっていくか」
 こうした話をしてだった。彼等は。
 闇の中から手を打ったのだった。そうしてだ。
 駆けるガルフォードの前にだ。出て来たのだ。
 二人、それは。
「むっ?」
「ワン?」
 ガルフォードとパピィ達が二人を見てだ。すぐに脚を止めた。
 そのうえで構え唸り声をあげながら。二人に対峙するのだった。
 そうしてだ。こう二人に返した。
「羅将神ミヅキともう一人は確か」
「刹那だ」
 自ら名乗りながらだ。剣を抜くのだった。
 そのうえでだ。ガルフォードに対して話してきた。
「常世の者だ」
「楓達が言っていた奴だな」
「如何にも。四神は俺の敵」
 まさにそうだというのだ。
「そして奴等を倒し」
「それから常世をか」
「この世に現わす」
 己の野心もだ。話していく。
「今俺がいる世界にだ」
「そして」
 今度はミヅキがガルフォードに話す。傍らの魔犬の目が不気味に光る。
「ここにこうしているのは」
「俺への足止めだな」
「如何にも」
 まさにそうだというのだ。
「ここでこうしてだ」
「都に行かせないっていうんだな」
「貴様に行ってもらっては困る」 
 また話す刹那だった。
「できればここで死んでもらう」
「覚悟はできているかしら」
「生憎だが俺も」
 ガルフォードの背中の忍者刀を抜きだ。
 そうして構えてだ。二人に返すのだった。
「そのつもりはない」
「そうであろう。ぬしとてな」
「行かなければならないからな」
「そういうことさ。じゃあ行かせてもらうか」
 できれば二人をここで倒そうと考えてだ。そうしてだった。
 パピィと共に向かおうとする。しかしだった。
 突如だ。両者の間に。
 またあの者達が出て来た。出て来たその瞬間に大爆発が起こる。
「愛と正義の使者参上!」
「義によって助太刀するわよ!」
 貂蝉と卑弥呼がだ。こう叫ぶのだった。
「さあ、貴方は先に行きなさい」
「いいわね」
「なっ、あんた達か」
 ガルフォードは二人の姿を見てまずは唖然とした。
 
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