異生神妖魔学園
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剛力VSトイレの花子
あの後司は保健室へ運ばれ、真島のあの痛い治療を受けることになった。
帰りのHRが終わり、紺子、龍哉、一海、牙狼が学園の外に出た。日はほとんど西に沈みかけている。
途中保健室から司の悲鳴が聞こえたような気がした。
死纏さん「おう、お前らもう帰るのか」
門の前に立つ死纏さんが声をかけ、紺子たちはそれぞれ返事をする。
死纏さん「今日は騒動が多い日だったな……ああ、それと出雲。新入生。痴漢には気をつけろよ。春はそういった変態が多いからな」
紺・一「「はーい」」
龍哉「司の奴、とんだ災難だったろうな。剛力先生には殴られるし、鬼塚先生の治療もうけなければならないし、校長先生にも呼び出されてるし………」
紺子「お前だけ治療で済んでよかったじゃねぇか。正直言えば私もあんな治療受けたくないよ」
進み慣れた帰り道を歩き、会話する4人。
特に紺子は発言からして、彼女も過去に龍哉が受けた同じような治療を受けていたようだ。
牙狼「そういえば紺子って去年…だったっけ?体育の時間アキレス腱切ったんだよね?」
紺子「正解。痛くて痛くてすっごい泣いたよ。最初誰かに蹴られたと思ってたけど、周りに人いなかったし、『あっこれはアキレス腱切れたな』って確信したぜ」
一海「よっぽどのことがない限り切れないだろうけど、出雲姐ちゃん急に足伸ばしたらああなったって言ってたし」
紺子「言っとくけどいずれお前もあの治療受けるからな。一生忘れられないかもしれないから覚悟しとけよ?」
牙狼「たぶん痛いと思うから余計痛くなるんじゃないかな」
龍哉「『こんなの痛くないっ!』って思ってもなぁ…」
それから紺子、一海、牙狼は龍哉と別れ、3人は同じ帰り道を歩む。
紺子「あーあ、レクリエーションしたかったのにつまんねぇ。あんなくだらないことで時間潰しやがって……」
一海「僕と同じ学校から来たんだからしょうがないよ。出雲姐ちゃんのクラスだってそうでしょ?」
牙狼「もし僕が紺子と同じクラスだったらどんな風になってたかな…」
紺子「うん、私も牙狼がいなくてちょっと寂しいよ」
すると一海があることを思い出した。
一海「……あれっ?そういえばあの子……どうしたんだろうな………」
紺子「カズミン?どうした?」
一海「いや、実は………僕のクラスの中に生徒がもう1人足りなかったんだ。女子なんだけど………」
牙狼「えっ!?」
紺子「はぁ!?た、足りなかったぁ!?どういうことなんだよ、おい!!自分の口で説明しろよ!!」
牙狼「ちょっとちょっとちょっと!!1回落ち着けよ!!あと首絞めるなよ!!」
一海「あ゛……あ゛……」
紺子は一海の首を絞める手の力を緩めることはなかった。
それでも牙狼はなんとか紺子を一海から引き離すことに成功し、首を絞められていた一海は咳き込んでいる。
紺子「私今日初めてだぞおい…カズミンの首絞めたの……」
一海「オ゛ーエッ!ゲッホゲッホ!」
紺子「いや待てよ…?そういえばあの時…椅子ひとつだけ空いてたような……?」
一海「今頃思い出すくらいなら最初から口で言ってよ…!」
牙狼「うーん………そういえばあの学園のトイレに花子さんが出るって噂聞いてるけど………」
紺子「花子さん?ああ、それなら私も聞いたことあるな。校長先生から聞いたんだけど、あの花子さんって奴、生前人間だったんだよな」
牙狼「に、人間…?」
紺子は話を続ける。
紺子「あの学園、昔人間が通ってた頃なんだけどね。『雪村麻由美』って子が授業中下痢漏らしてさ、それからひどいいじめを受けてきたんだ。耐えられなくなって引きこもるようになった麻由美は大量の下剤を飲んで自殺しちゃったんだ」
一海「そ、それから…?」
紺子「怖いのはそこからだよ。あれから月日は流れ、怪奇現象が起こるようになった。生徒数人が毎回ひどい腹痛になってさ……特に麻由美をいじめてた奴らは1週間苦しんだあげく、そのまま行方不明。クラスの何人かは『麻由美の怨念だ!』『トイレの花子さんの仕業だ!』って恐れるようになったのさ」
牙狼「じゃあ…あの席が空いてたのって……」
一海「まさか……」
紺子「過疎化が進んで廃校になって私たちが通う学園になったけど、たぶんあの子なんじゃねぇかな」
剛力「トイレの花子が出るのはこの個室だな?」
妖怪鼠の少女「そうみたいですよ。生前人間だったって聞いてますが…」
遠呂智「仕事の話ついでに来てみたが、面白いことが起こりそうだ」
龍華「あんたの言う面白いことっていっつもろくなことしかねぇじゃん!」
一方女子トイレではその花子が出るといわれる3番目の個室の前で剛力と生徒3人が話していた。
1時間目の放送で遊んだ者に罰を与えた3年の生徒『草薙遠呂智』は金髪のイケメン。だが服装は鎖がついた長ランと腰に赤と白のマントを身につけているといった、いかに不良中の不良らしい風貌である。
同じく3年の生徒だが身長が90センチしかなく、ネズミのイラストがプリントされたシャツを着ている少女は『種島ワコ』。まるで学園内のマスコットキャラだ。
ワコ「もしワコたちも先生も腹痛起こしてトイレの住人になったら……うああ……」
剛力「心配するな。超越者にできないことはない。そんな呪いをかけられそうになっても全力で…」
その時、遠呂智が剛力の背後の個室から邪悪な気配を感じ取るまでそれほど時間はかからなかった。
個室の前に立ち、戸を思い切り蹴破る。
遠呂智「ヘヘヘ…いたぜいたぜぇ…」
龍華「こ、こいつが……」
ワコ「トイレの花子さん………」
いたずらそうに笑う遠呂智の目の前にいたのは白いワイシャツに赤いスカートを着用している、透明感のある長めのおかっぱがかわいらしい少女だった。
雪のように白い肌と冬の空のように澄んだ瞳が印象的な、どこか儚げな魅力のある美少女である。
トイレの花子?「ホントは『花子さん』じゃないんだ……私は雪村麻由美、これが私の名前………」
剛力「学園中で噂になっていたが、お前、生前人間だったそうだな。この学園がまだ人間が通ってた頃、授業中下痢を漏らし、それからひどいいじめに遭い、耐えられなくなったお前は大量の下剤を飲んで自殺した。最近ひどい腹痛を起こす生徒がいるからもしやと思っていたが、雪村麻由美。やっぱりお前だったとは……」
龍華「俺もやられたよ」
ワコ「ワコも…3番目の個室怖かったからいつも1番目の個室に入ってたけどね」
遠呂智「前々から気になってたさ。俺はならなかったけどな」
龍華「運よすぎかよ!!」
ワコ「どうにかならないんですか!?」
剛力「俺に任せてくれ。おい、質問したいことがある。生徒たちに腹痛を起こさせたのはお前か?」
尋ねられた花子こと麻由美はこう答えた。
麻由美「そうよ……あなたたちにわかる……?私の苦しみを!下剤飲めって言われて、お腹壊して、トイレに駆け込んで、お漏らしして!腸がメチャクチャになってて、胃に穴が空いてて…………あなたたちにも味わってもらうわ!コーラック10粒分の痛みを!!」
剛力「笑止ッ!!!」
麻由美「!!?」
呪いをかけようとした麻由美だが、剛力の一喝に怖じ気づいた。
剛力「たった10粒分など生ぬるい!!いや、むしろ器が小さい!!人を恨むのはわかるが、本格的に恨んだことはないのか!!俺にアドバイスできることといえばそうだな……10箱分だ!それぐらい恨め!!1人でいつまでも背負い続けやがって!」
龍華(先生どっちの味方なんだよ!?)
沈黙が続いたかと思うと、やがて麻由美が涙目になり、口を開いた。
麻由美「………私………ホントは人を殺したいなんて思ってなかった…………誰かを苦しませて苦しませて、私の苦しみを知ってもらいたかっただけだったの…………………」
剛力「そうか…でも大丈夫だ。俺たちという存在があるからこそ、もう苦しむ必要はない」
麻由美「先生………」
麻由美の目から涙が溢れ、それを止めることはできなかった。
泣きながら剛力に抱きつき、声を抑えるようにして泣いた。
剛力「いじめを苦に自殺したんなら居場所はどこにもないだろう?もう大丈夫だ。今日からお前は………」
遠呂智「そのシリアス、ちょっと待った。住むんなら俺ん家がオススメだ。うちはカフェもやってるから、そこに住めば美味い料理も食えるし、コーヒーも紅茶だって飲めるぜ?」
龍華「嘘つけよ!!あんたが作る料理必ずダークマターになるじゃねぇか!!」
遠呂智「俺が料理下手なのは自覚してる。だからお前がいるんじゃねぇか」
龍華「あのな…」
ワコ「遠呂智ェ……」
剛力「まあまあ、別にいいだろ。せっかく歓迎してくれてるんだ、新たな居場所ができていいじゃないか」
こうしてトイレの花子さんこと雪村麻由美は遠呂智が経営するカフェに住むことになった。
もちろん遠呂智は歓迎してくれたが、龍華は正直気が進まなかった。それでも麻由美は幸せに暮らすことができるだろう。
夜。紺子の家にて。そんなことを知らない紺子はベッドの上でぐっすり寝ていた。相当疲れていたのかだらしない寝相で、その上毛布をはね飛ばしていた。
紺子が着ているパジャマはボタンつきの前開き。だが下半身はズボンを履いておらず、薄ピンクのかわいらしいパンツを丸出しにしている。パンツとパジャマの布でできた三角形からは肌色の皮膚と縦長のくぼみがのぞいていた。
それをいたずらそうな笑みでうっとり見ていたのは紺子と同じくパジャマ姿の一海だった。紺子とは違い、ズボンをちゃんと履いている。
一海「もう、出雲姐ちゃんまたパンツ丸出しで寝ちゃって………写真、撮っちゃおうかなぁ?」
紺子「ん……ぁんっ…ひゃっん……/////」
一海「うふふ」
紺子「か、雷しゃま……おっ、おへそ…取らないでぇ………/////」
一海「ああ~……あえぐ出雲姐ちゃんかわいいよぉ…………」
一海は紺子のパジャマからのぞいている縦長のへそに人差し指を入れながら、その中でくすぐっていた。
へそをくすぐられる紺子は夢の中でも快楽を味わい、顔を赤くしながら寝言を呟き、一海のいたずらは彼女が満足するまで続いた。
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