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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第百四話 あかり、闇を感じるのことその三

「そうすると思っていましたが」
「やはりあの山に向かうか」
「それではですね」
「まずはあの連中からだ」
 そしてだった。二人は。
 それぞれ顔を見合わせてだ。こんなことも言った。
「司馬尉さんにお話しますか」
「あちらの世界の連中にもな」
「そうしてですね」
「それから」
 こう話してだった。彼等は闇の中から一旦消えた。そしてだ。
 すぐにだ。まずは刹那がだ。山の中で言うのだった。
「この山だな」
「ああ、そうだ」
 社が彼の横に来て話す。
「前から俺達が根城にしてるここだよ」
「そうか。この山でだな」
「ここに来る奴等を始末するってことだ」
「わかった」
 ここまで聞いてだ。刹那は静かに頷いた。
 そのうえでだ。こうも言うのだった。
「では来た奴等をだ」
「斬るんだな」
「そうする」
 表情はなく口調も淡々としている。しかしだ。 
 そこから出ているものはひらすら邪悪だった。その邪悪の中でだ。
 彼はだ。こうも言うのだった。
「そしてその命を生贄にしてだ」
「常世を出すんだな」
「出す機会は何時でもいい」
 時は選ばないというのだ。
「出せるその時に出す」
「だったよな。あんたはな」
「オロチは違っていたな」
「こっちはタイミングが大事なんだよ」
 社は口の端を歪めさせて応える。
「戦い、殺し合ってその気が満ちた時にな」
「オロチを人の身体に降ろすか」
「そうするんだよ。それでその身体はな」
「あいつか」
「ああ、クリスだ」
 彼だというのだ。その身体を持っている者は。
「あいつがそうなる」
「そうか。わかった」
「じゃあそういうことでな」
 社は笑いながら話す。
「俺のところは時間がかかるからな」
「そこが違うな」
「アンブロジアもそうだろ」 
 ここでもう一つの異形の存在の話が出た。
「あっちは確か」
「そうよ」
 二人の側にだ。不気味な、禍々しい紫の影が出て来てそれが実体化してだ。そうしてだった。
 そこにだ。ミヅキが出て来た。足下にはあの奇怪な犬もいる。
 その彼女が出て来てだ。こう二人に話すのだった。
「アンブロジアもね」
「時間がかかるよな」
「そうよ。恐怖と絶望と憎悪」
 陰惨な微笑みを浮かべてだ。ミヅキは二人に話していく。
「そうしたものが世に満ちてからよ」
「アンブロジアは降臨できるんだったよな」
「その時にこそね」
 まさにだ。そうなるというのだ。
「だから今はまだよ」
「この国が全てだな」
 刹那もミヅキに声をかける。
「そうしたものに覆われてからだな」
「ええ、そうよ」
「そういうことだな」
 ミヅキに続いて社も話す。
「けれどこの山での戦いは」
「その序章みたいに楽しませてもらうか」
「奴等を斬り」
 刹那の目にだ。また鋭いものが宿る。
 
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