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妖艶無双

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第二章

「同性愛もです」
「普通ですから」
「キリスト教では絶対のタブーでも」
 自分達の学校がカトリック系であることも話した。
「しかしです」
「日本ですから」
「罪にはなりません、校則でもです」
「同性愛についての記述はありません」
「今から定めても」
 校則としてだ。
「それもです」
「何か露骨ですね」
「そうです、明らかに浅野先生のことで」
「それは学校としても」
「よくないので」
 それでというのだ。
「私はしてはならないと思います」
「左様ですね」
「ですが浅野先生のことを考えますと」  
 どうしてもというのだ。
「あまりにも魅力的なので」
「心配になりますね」
「全くです」
 校長達も心配だった、兎角蜜は魅力的だった。
 長く伸ばした黒髪は見事な光沢を放ち白い肌に切れ長の流麗な睫毛の長い目、奇麗な形の眉、艶やかな唇に。
 程よい背丈で見事な胸と腰で脚も奇麗だ。膝までのスカートのスーツだが短いものも凌駕するまでの色香を身体全体から醸し出している。
 料理だけでなく家事全般を得意としていて華道も茶道も出来る、踊りは日舞である。着物を着ても艶やかで。
 生徒達は古典の授業を行う彼女をいつも見ていた、そして口々に話した。
「浅野先生奇麗過ぎるよね」
「服の露出は少ないのに色気が凄くて」
「もう一緒にいたらね」
「同性でも我慢出来そうにないわ」
「そうよね」
「どうもね」
「何でかしら」
 疑問の言葉もここで出た。
「あんなに色香あるのかしら」
「それわからないわよね」
「どうもね」
「確かにお奇麗だけれど」
「何か色香がね」
「もう凄過ぎるけれど」
「一体どうしてあんなに色気あるのかしら」
 それがどうしてもわからなかった、だが。
 校長は蜜の色香がどうしてあるのかわかっていた、それで言うのだった。
「浅野先生は元々です」
「色香のある方ですか」
「お顔立ちに髪も家に物腰が」
「そうしたものが」
「そして穏やかですが」
 今度は性格の話にもなった。
「気品があってそしてもの静かで」
「その静かさがですね」
「尚更です」
「色香を醸し出している」
「そうなのです」
「だからですか」
「浅野先生は色香があります、ですが」
 校長はここでこうも言った。
「先生に浮いたお話はないですね」
「はい、確かに」
 校長と話しているその先生も話した。
「そうですね」
「今こうしてお話をして」
「しかも保護者の人達が心配する位色香がおありでも」
 それでもというのだ。
「ご自身はですね」
「そうしたお話がないですね」
「何でもお付き合いしている人は」
「プライベートのことは知りませんが」
 校長もそこは聞かない、相当に問題がある場合でもないとそうしたことには足を踏み入れないことにしているのだ。 
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