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幼き女帝

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第三章

「それで立派な天皇を育てる」
「ずっとそうしてきたからか」
「今回もそうした」
「それで立派な天皇になってか」
「皆喜んでいるんだな」
「日本人達は」 
 その彼等を見て話した。
「傍から見て驚いたけれどな」
「あの厳しい教育には」
「けれどそれが日本の皇室の伝統で」
「ずっとああしてきて立派な天皇を育ててきた」
「皇室の人達もか」
「そして実際に立派な天皇になってくれたのが嬉しいんだな」
「それで天皇もそれでよしか」
 教育を受けられた方もというのだ。
「そう思っているのか?」
「どうだろうな、それは」
「今頃あんな教育はないけれどな」
「日本でもしてないだろ」
 当のこの国でもというのだ。
「皇室以外では」
「それでも皇室では残っていて」
「実際に立派な天皇、皇族になってな」
「市民に慕われて連合中から敬愛されて」
「流石は世界最古の皇帝、皇室と言われている」
「それに相応しい資質を備えられて有り難い」
「そう思っているのかね」 
 帝そして皇族の方々もというのだ。
「本人さん達はどうだろうな」
「正直俺だったら絶対に嫌だな」
「それ俺もだよ」
「俺もだぜ」 
 誰もがこう言った。
「流石にな」
「あんな教育受けられないからな」
「生活だってな」
「ご公務ばかりで」
「休憩すら仕事だからな」
 そのうちの一つになっているからだというのだ。
「そんな中で生きろとか」
「人生ブラック過ぎるだろ」
「他の国の王室でもやばいのにな」
「エチオピア皇室だってな」
「そのことを考えたら」
「もうな」
 日本の皇室に生まれる特に天皇になることはというのだ。
「流石にな」
「絶対に嫌だな」
「それでもあの人達は違うか」
「日本の国家元首そしてその家の人として頑張る」
「そうだっていうんだな」
「あの人達は」
「それで天皇もか」
 ご自身もというのだ。
「それでいいのかね」
「そう思ってるのかな」
「どうなんだろうな」
 こう言って考えた、そしてその中でだった。
 帝は無事に大学を卒業されて日本市民達が待ち望んだご公務に本格的に入られる日が来た。既に即位の礼等はご幼少の頃になされていたのでそうしたことはなかったが。
 公務に入られた、市民達はそのことも歓迎した。そして日々自分達の君主を褒め讃え心から敬愛した。
 帝は彼等の言葉を聞かれて摂政を務められた叔父であられる殿下に皇居の中で言われた。
「皆様のお言葉がです」
「嬉しいですか」
「はい、お言葉が励ましとなり」
 それでというのだ。 
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