レーヴァティン
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第二百九話 ルールへその六
「それはないだろ」
「はい、我々にそうした趣味はありません」
「そんなことをして何が面白いか」
「よく罪のない者を拷問して喜ぶ輩がいますが」
「理解出来ません」
「弱い奴をいたぶる奴なんてな」
それこそともだ、久志は述べた。
「碌な奴じゃないだろ」
「ですね、間違いなく」
「それは外道です」
「それこそまさに外道です」
「その通りだよ」
久志は事実この世界でそうした輩も見てきた、起きた世界では聞いているだけだったがこの世界ではその目で見たのだ。もっとも弱い者いじめがそれであるのなら起きた世界でも見て来たと言える。
「俺だってな」
「そうした輩はですね」
「許さないですね」
「事実そうしてきていますし」
「徹底的に断罪していますね」
「ああ、いたぶってきたことの数倍のな」
まさにその域のというのだ。
「痛みと苦しみを伴う処刑を加えてるな」
「左様ですね」
「そうした輩を許すことはないですね」
「それも絶対に」
「そうされていますね」
「だから戦でもだよ」
今もというのだ。
「軍勢同士だとな」
「遠慮なくですね」
「そうして戦えますね」
「左様ですね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「戦っていくぜ」
「わかりました」
「ではそうしていきましょう」
「この戦は」
「建物も破壊しましょう」
「そうしていくな」
こう言ってだった。
久志は破壊された城壁の部分に精兵達を突撃させて確保してからはその周辺の建物も占拠させてそこにさらに兵を送り。
完全に占領した、だがここで。
一晩守らせた、その間彼は軍勢にじっくりと休ませつつ。
攻撃の用意も進めた、そして。
朝になるとだ、久志は起きるとすぐに言った。
「飯を食え、そうしてな」
「食えばですね」
「そこからですね」
「要塞の中に入ってな」
そのうえでというのだ。
「攻めていくな」
「建物は必要なら破壊し」
「敵は降伏しなければ倒す」
「そうしていってですね」
「要塞を攻め落としますね」
「ああ、ただ降伏の使者を送ってな」
ここでもそうするというのだ。
「それで返事を待つな」
「そして降伏すればよし」
「それで終えますね」
「しかし降伏しなければ」
「その時にですね」
「戦うな、その間に飯を食ってな」
使者を送って敵の返事を持ち帰って来るまでの間にというのだ、久志は頭の中でこれからのことを考えて計算も立てつつ述べた。その計算は直接の数学のことでなくこれから戦でどれだけの戦力を何処に何を持たせて誰を向かわせるかということだ。
「戦の用意もな」
「整えますね」
「そしてそのうえで、ですね」
「使者の返事次第で」
「攻めますね」
「そうするな」
こう言って自身もだった。
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